「岸田首相のピンチ」を救う大谷翔平の存在感 「ウクライナ訪問」「政倫審」を"翔タイム"直撃
当初の予定通りの開催なら、出席を申し出た安倍、二階両派の事務総長経験者5氏の弁明と質疑は、「『2人と1匹』に象徴されたビッグニュースが飛び出す前の29日午後までに終わっていたはず」(政倫審幹事)だった。もちろん、それでも各情報番組の政倫審報道の大幅減は避けられなかったとみられるが、「少なくとも28日は政倫審情報が最優先された」(民放テレビ幹部)ことは間違いない。
事実、29日夕刻以降の各種情報番組はいずれも「内容を変更してお伝えします」という但し書き付きで、急遽「大谷結婚特番」に衣替えした。加えて、3月1日早朝の「大谷インタビュー」などで同日以降の情報番組も「大谷特番一色」となり、政倫審でのやり取りは“雑報”扱いに。さらに異例ずくめの1日の「深夜国会」と2日の「土曜国会」という“与野党泥仕合”も、その週末の情報番組などのメインテーマとはならなかった。
その中で、2月29日に自民党本部に集まり、手に汗を握る形で政倫審テレビ中継を見守っていた同党幹部らは、夕刻に「大谷結婚」の報が伝わった途端「予算案採決のチャンス到来と拍手喝采」(党事務局)だったという。確かに、ネット上では「大谷結婚」関連情報がトレンド上位を独占し、「政倫審」情報はあっという間に姿を消した。「その状況が与野党攻防の構図を変え、予算の年度内成立確定につながった」(自民国対)のは間違いない。
WBCが消した「ウクライナ電撃訪問」
そこで、これまで約2年半の岸田首相の政権運営を振り返ると、なぜか重大な節目での「大谷関連ニュース」との絡み合いが際立つ。
その典型が、1年前の2023年3月21日に岸田首相が極秘でウクライナを電撃訪問、ゼレンスキー大統領と初の対面での首脳会談が実現したときだ。岸田首相にとって「乾坤一擲の大勝負」だったが、なんと、日本中が沸き返ったWBC(ワールドベースボールクラシック)準決勝の日本対メキシコ戦にぶつかったのだ。
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