村上ファンド「あおぞら銀行」に触手を伸ばす意図 あっという間に筆頭株主、「あの銀行」と再編も

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アクティビストに詳しい関係者は、「当初から第三者への転売が念頭にあるのだろう」と指摘する。買い手候補として名前が上がるのは、SBIホールディングスだ。

SBIHDは2021年12月、新生銀行を子会社化した(撮影:今井康一)

SBIHDは子会社としてSBI新生銀行を抱え、同行が抱える公的資金の返済に追われている。そこであおぞら銀との協業を通じてSBI新生銀の収益力を高め、公的資金返済への道筋をつけるという見立てだ。

SBIHDはSBI新生銀の株式を62.5%保有している。前述した銀行法の20%ルールはおろか50%ルールさえ突破した実績のあるSBIHDなら、将来あおぞら銀をグループに取り込むことも不可能ではない。

過去にも筆頭株主の受け皿に

SBIHDには、筆頭株主から多量の銀行株を引き取った過去がある。2020年、福島県郡山市を地盤とする大東銀行の株式約17%を都内の不動産会社から取得した。

SBIHDの取得理由は表向きこそ純投資だが、自らの地銀連合に組み入れたい意図は明白だった。だが、「大東銀がSBIHDとの連携を頑なに拒んだ」(地銀関係者)ために交渉は進まず、SBIHDは2023年2月に全株を別の事業会社に転売した。

一方、あおぞら銀とSBI新生銀は同じ旧長期信用銀行として”兄弟関係”にあるだけでなく、2009年7月には「合併」で合意もしていた。実現すれば当時の資産規模で国内6位の銀行となるはずだった。

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