「38歳からの婚活」で"競争"を制した彼女の勝因 結婚相談所で大人気の彼を射止められたワケ

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大学を出てから転職を2回経験し、現在はIT企業に勤続18年の達也さん。「誰かと一緒に穏やかに暮らしたい」と思いながらも、ボクシングに打ち込んでいたこともあり、恋愛や結婚は後回しになっていた。しっかり者の涼子さんに見つけてもらって正解だったのかもしれない。

結婚して9カ月後には不妊治療を開始して、4つめのクリニックで妊娠に成功。かかった費用は合計300万円以上。涼子さんが長年貯めてきたお金で賄った。現在の住居も涼子さんがキャッシュで買った分譲マンションである。

「都心は無理なので私は職場まで片道1時間ほど通勤にかかります。夫は2時間弱です。もっと都会に住みたいと言われていますけど」

ただし、コロナ禍のおかげで在宅ワークが定着し、今は2人とも出勤は週1回程度。家族3人水入らずで過ごす時間が長い。

「家事の9割は私です。でも、夫も買い物などはやってくれます。以前は私がイライラしてよくケンカしていましたが、今はほとんどしません。夫が息子を可愛がってくれているのを見るとすごく幸せな気持ちになります」

それぞれの銀行口座も「マネーフォワードで見える化」しているという涼子さん。外食好きの達也さんのお金の動きもチェックして、「あれ~、2000円のお寿司ランチに行ったんだ。いいな~」などと指摘。達也さんも自然とお金を使わなくなったという。

「何でも話せる夫がいてすごく楽しい生活です。といっても、私が勝手に話しているだけで夫は聞いているのかどうかよくわかりませんけど(笑)。子どもが生まれてからは幸せがさらに100倍になりました。子どもとずっと一緒にいたいので、親に預けて遊びに行きたいとも思いません。独身時代に合コンをしていた友だちとも会いたくないし、同窓会も遠慮したいぐらいです」

内向きの幸せを満喫している涼子さん。達也さんのほうは、「理想と現実は違います。妻がイライラしてきつい言葉を発したりするので。幸せの総量は独身時代と同じぐらいです」とクールな態度を崩さない。このへんも涼子さん好みなのかもしれない。

人付き合いが苦手だと自覚している涼子さん。やや自己中心的なところが垣間見えることもある。しかし、涼子さんのように遅めの結婚を見事に成就する人は多くない。自分が望むパートナーと生活を求めて、なりふり構わずに行動し続ける強さを彼女は持っているのだ。

大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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