「米国インフレ懸念継続」でも金を買っていいのか 価格が下がるリスクもあるが反転も早い?

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実際、FRBの姿勢を見ても「今後のデータを見て金融政策を決定する」という方針に、まったく変化は見られない。利下げの開始は夏以降にずれ込む可能性が高くなり、場合によっては追加利上げを検討する必要が生じることがあっても、何ら不思議ではないと考えておいたほうがよい。

インフレ再燃なら金価格は下落せざるをえない

では、もしインフレが沈静化しなかった場合、市場はどのような影響を受けるのだろうか。株式市場にとって、インフレ再燃は通常大きな売り材料だが、「景気が強い」という一段の押し上げ要因となる可能性もあり、判断は非常に難しいところだ。

実際、アメリカのインフレが高止まりしている最大の理由は、経済や雇用が好調を維持していることだ。この部分だけ取って見れば、短期的には強気材料と受け取ることもできる。

FRBが政策金利を現行水準に長期間とどめておけばおくほど、あるいは追加利上げに踏み切らざるをえなくなれば、いずれ景気の大幅な減速につれて、株価にも調整圧力が強まるはずだと見ているが、経済が好調さを維持している間は、買いの勢いも、簡単には衰えることはないのかもしれない。

一方でFRBの早期利下げ観測の後退の影響をストレートに受けるのは、金利市場を除いては、やはり金市場になると見ておいたほうがよい。アメリカの長期金利上昇やドル高の進行が嫌気されれば、売りに押される可能性は高い。

「2024年の金価格は何回も最高値を更新しそうだ」(1月4日配信)では、金価格はインフレ再燃という新たなリスクでも生じない限り、史上最高値を何度も更新する展開になるとの見通しを示した。だが、インフレ再燃の可能性が消えないのだから、金についての見通しも柔軟に変更する必要があるだろう。

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