ペンタックス身売りで終わらない“デジカメ再編ドミノ”

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 10年秋には、台湾の受託製造アジア・オプティカル・グループとも接触があったとみられる。しかし、こういった海外勢はしだいに興味を示さなくなった。

一方のリコー。事務機器など法人向け事業が、2兆円近い売上高の大半を占める。そのため、「消費者向け事業の確立が課題」(近藤社長)。実際、デジカメ事業は売上高200億円弱(推計)にすぎず、赤字にあえぐ。製品評価は高いものの、一眼レフを手掛けていないなど品ぞろえの少なさが弱点だ。ただ、カメラは1936年からの祖業の一つであり、「撤退はない」というのが社内の共通認識だ。

ペンタックスを取り込めば一眼レフからミラーレス、コンパクトとラインナップがそろう。ペンタックスが合理化徹底で10年度に黒字を確保したこともあり、リコーは買収を決断。今後は新興国を軸に拡販することで、3年後のデジカメ事業の売上高を1000億円と、現在の両社合算の2倍に増やす算段だ。

オリンパスが焦点に

再編の策動はほかにもある。テクノ・システム・リサーチの大森鉄男氏は「アライアンス構築に向けた動きが水面下で活発化している」と語る。

注目は、業界7位のオリンパスと9位のカシオ計算機だ。オリンパスの10年度のデジカメ事業(映像機器事業)は150億円の赤字。カシオも同60億円赤字と苦しい。

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