エンタメ公演トラブル「金返せ」はどこまで可能か 帝劇「ジョジョ」の公演中止で気になる返金の条件

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
帝国劇場
(写真:kazukiatuko/PIXTA)

演劇の殿堂と謳われる日比谷の帝国劇場。開場は1911年(明治44年)で皇居のお堀に面した千代田区丸の内の一等地にある東宝が運営する伝統ある大劇場(客席数約1800席)だ。その2月公演はミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』だった。2月6日から28日まで全30公演が予定されていた。

しかし、初日の2日前の2月4日になって東宝は急遽、2月6日から8日までの合計4公演を中止すると発表した。コロナ禍で演劇やコンサートの中止が相次ぎ、それ自体めずらしいことではないが、中止の理由に世間の注目が集まった。

その理由を東宝は以下のように説明した。

「弊社製作体制のもと、その複雑な演出プランに対応するための確認作業が想定以上に必要となったことなどから、稽古の進行が予定より遅れておりました。予定通りの初日に向けて一同で力を尽くして参りましたが、さらなる修正・見直し等が発生するなどしたことから、進行の遅れを挽回することができず、スタッフ・キャストの安全確保の観点からも、初日を延期し、4公演を中止せざるを得ないという判断に至りました」(6日の正式発表内容。一部割愛)

上演準備が間に合わなかった

要するに不可抗力ともいえる災害や演者等の病気等が理由ではなく、上演準備が間に合わなかったというのだ。演劇界最大手の興行主である東宝とも思えぬ大失態だ。

しかも、トラブルはそれだけで終わらなかった。もともとの休演日である9日の翌日の10日から開演と宣言したにもかかわらず、再び延期したのだ。

8日になって、東宝は再度以下の発表を行った(一部割愛)。

「その後、2月10日からの公演実施に向けて一同鋭意舞台稽古に取り組んで参りましたが、スタッフ・キャストの安全確保に努めながらの準備に更なる時間を要し、誠に苦渋の決断ではございますが、2月10日、11日の3公演も中止とさせていただき、2月12日の公演より上演させていただきます。

弊社といたしましては、弊社の本公演製作の見通しの甘さ、製作体制の不行き届きにより、お客様に多大なるご迷惑をお掛けしたこの度の事態を重く受け止め、再びこのようなことを引き起こさないようその対策を徹底して参る所存です」

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事