韓国・EU間で自由貿易協定(FTA)が発効![前]--日本企業は韓国に流出するか

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小


 ちなみに、農産品について見ると、センシティブ品目として、韓国のコメおよび関連製品は特例措置、ミカン、唐辛子、ニンニク等は現行関税率維持となっており、豚肉は5年または10年で関税撤廃、酪農製品は10年または15年で関税撤廃及び関税割当設定となっている。ある程度は韓国の農業への配慮がなされている。

日本は対EU輸出で不利な立場に

EUは小型車、中・大型車ともに10%の関税を課していたが、これがゼロとなることにより、日本メーカーは、EUに無税で輸出できるようになった韓国メーカーと比べて大きく不利な状態になる。
 
 液晶テレビも同様で、韓国からは無税でEUに輸出できるが、日本からの輸出には14%の関税がかかる。これから、ヨーロッパに輸出する製品を作る工場はどんどん有利な国に移って(流出して)いくだろう。

今、政治に声を上げているのは、自由貿易反対派ばかりだ。筆者は、もっと日本の経営者に自由貿易推進の声を上げてもらいたい、と訴えている。そうしなければ、国内の一部の利益を保護するために各国とのFTA/EPA交渉が進展せず、日本企業が他国企業に対し不利な立場に取り残され、国内の雇用と日本の競争力がどんどん失われてしまうことになる。

韓EU自由貿易協定の交渉経緯

さて、話を韓国に戻すと、韓国は積極的にFTAを推進している。EUに対しても韓国から交渉開始を働きかけた。EUは当初消極的であったが、韓国のアメリカとのFTA交渉の進展や2006年に新貿易政策を策定したことを機に、交渉に応じる立場へ方針転換した。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事