予算案は憲法の規定で、3月2日までに衆院を通過すれば、参院で採決されなくても送付後30日で自然成立する。ただ、野党側は「自然成立確定は野党の敗北で、それだけは阻止したい」(立憲幹部)としており、自民内にも「強引に事を進めると、国民の批判が拡大しかねない」(自民長老)との不安は拭えない。
このため、自民内には「参院での審議加速を条件に、3月4日の衆院通過ということで野党に花を持たせるほうが無難」(自民国対)との声も出始めている。仮に、当初予算案が自然成立の「保険」なしの日程で衆院通過となれば、安倍政権時代の2015年以来9年ぶりとなる。
岸田政権、株価史上最高値更新が“追い風”になるか…
そうした中、国会攻防を横目に、22日の東京株式市場の日経平均株価が、史上最高値を更新して終了した。終値は前日比836円52銭高の3万9098円68銭と、バブル経済ピークの1989年12月29日の大納会に記録した最高値(3万8915円87銭)を34年2カ月ぶりに更新した。
これは、支持率低迷から脱出できない岸田政権にとって、「待望久しいグッドニュース」(官邸筋)だ。これからヤマ場を迎える春闘での賃上げも「中小企業も含めて近年の最高レベルとなることは間違いない」(有力経済アナリスト)とみられており、国会での与野党攻防が与党主導での展開になれば、「岸田首相の求心力が回復、国会会期末の衆院解散断行も視野に入ってくる」(官邸筋)ことも想定される。
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