12人ケガ「犬にかまれる事故」年5000件発生の怖さ 「うちの子は大丈夫」という過信は捨てること

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例えば、1.2メートルの高さのサークル(屋根なし)に体長48センチの愛犬(ウイペット)を入れて出かけたところ、帰宅したらサークルの外で遊んでいたことがありました。

設置していたカメラで確認すると、柵と柵のつなぎ目の金具に足をかけて出ていました。出られるはずがないと思っていたので、その行動に驚きました。

また、愛犬(ボルゾイ、体長80センチ)を庭で遊ばせていたところ、目を離したすきに1.4メートルの柵を飛び超えて、道路に飛び出したことがありました。道路には車も歩行者もいなかったので事なきを得ましたが、冷や汗をかきました。

知人宅の愛犬(ボーダーコリー)は屋外の木製のサークル(屋根付)の扉をかじって脱走。別の知人宅の愛犬(ボルゾイ)3匹は、自宅駐車場の自動開閉ボタンを押して、シャッターを開けて脱走したそうです。警察が出動する騒ぎになったと聞きました。

犬が脱走する理由はさまざま

犬が脱走する理由には、獲物を見つけると追いかける習性、好奇心、運動不足などによるストレス、大きな音によるパニックなどが考えられ、「よじ登る」「飛び越える」「掘る」「かじる」など、さまざまな方法を駆使して、脱走を試みる可能性があります。

まずは、飼育環境を見直して、脱走のリスクを減らさなければなりません。また、散歩中も首輪が抜けないように、ハーネスと併用するなど注意が必要です。

そして、脱走したときには「待て」「ストップ」の指示や、「おいで」「戻れ」などの呼び戻しの指示に従うように、しつけを徹底することも大切です。

どんな犬にも牙があります。その牙が人を咬むことに使わせないためには、飼い主がきちんと管理しなければなりません。

犬を飼う限り、咬傷事故は他人事ではありません。「うちの子は大丈夫」という過信はすぐに捨てたほうがよいでしょう。

飼い主に求められるのは「うちの子にも起こりうること」という危機意識を持ちながら、しっかりと飼育管理する。それができて初めて愛犬家といえるのではないでしょうか。

阪根 美果 ペットジャーナリスト

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さかね みか / Mika Sakane

世界最大の猫種である「メインクーン」のトップブリーダーでもあり、犬・猫などに関する幅広い知識を持つ。家庭動物管理士・ペット災害危機管理士・動物介護士・動物介護ホーム施設責任者・Pet Saver(ペットの救急隊員)。ペットシッターや保護活動にも長く携わっている。ペット専門サイト「ペトハピ」でペットの「終活」をいち早く紹介。豪華客船「飛鳥」や「ぱしふぃっくびいなす」の乗組員を務めた経験を生かし、大型客船の魅力を紹介する「クルーズライター」としての顔も持つ。

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