日本代表GK権田はFC東京で何を学んだのか DF吉本との同期対談でJ屈指の育成力を分析

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権田:細かいプレーだったり、さっき話した人間的な部分から、あらゆる部分をこのチームに成長させてもらった。だから、プロになってからも、もっとうまくならないといけない、もっとうまくなれるんじゃないか、と思えた。ほかのチームだったら、そう思えずに、プロになってそれでOKとなっていたかもしれない。

僕や吉本選手が活躍しないと、FC東京の下部組織の価値は上がらない。下部組織出身の選手が活躍するのは、今まで携わってくれた人のやってきたことが間違いでなかったという証明になる。それが、これだけ育ててもらった人間の責任でもある。

サッカーは採点競技じゃない

後輩である武藤選手について語るとき、2人の表情は一気にほぐれた(撮影:大澤誠)

――7月に欧州に移籍する武藤嘉紀選手もU15、U18の後輩です。

権田:彼が中学1年生の頃から知っているが、変わらない。FC東京の下部組織出身の選手があれだけ注目されるのはいいこと。現役大学生Jリーガーというところよりも、FC東京の下部組織という部分をもう少し押し出してくれたらいいと思う。

吉本:日本代表に入ってからも、みんなにいじられている。かわいい後輩だし、FC東京の下部組織の選手として自分たちがやらなきゃという気持ちを持っている。武藤選手もその代表として活躍して、FC東京の下部組織をアピールしてほしい。

――プロを目指している子供たちにアドバイスがあるとすれば。

吉本:自分の中で、これだけは負けちゃいけないということを見つけて、練習してきた。ヘディングだったり、最後のところで体を張るとか、これだけは絶対誰にも負けないという部分を、何でもいいので見つけてほしい。もっと特長のある選手がユースから上がってきてくれたらうれしい。

権田:勝ちにいくこと。サッカーは採点競技じゃない。相手よりも点を取るかで結果が決まるスポーツだ。うまいとか下手とか、体が大きいとか小さいとか、いろいろあるかもしれないけれど、結局その相手に勝つか負けるかしかない。

どうやったらうまく動けるかとか考えても、結局勝てないと意味がない。考えてやったけど負けちゃいましたじゃあ、何も考えないで思い切りやって勝ったほうが絶対いい。どういう勝負であれ、勝ちにこだわることで、これから先、もう1つ上に行けるかどうかが決まる。

猪澤 顕明 東洋経済 記者

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いざわ たかあき / Takaaki Izawa

1979年生まれ。慶應義塾大学卒業後、民放テレビ局の記者を経て、2006年に東洋経済新報社入社。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、ニュース編集部などに在籍。2017年に国内のFinTechベンチャーへ移り、経済系Webメディアの編集長として月間PVを就任1年で当初の7倍超に伸ばす。2020年に東洋経済へ復帰、「会社四季報オンライン」編集長に就任。2024年から「東洋経済オンライン」の有料会員ページを担当。

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