今期業績予想は、31業種中13業種が「2桁増益」 医薬品は、なんと73.8%の増益率
日経平均株価は2万円台で堅調に推移している。企業業績も拡大している。
6月12日発売の『会社四季報2015年夏号(第3集)』では、各業界別の四季報担当記者が、独自取材に基づき、2016年3月期の業績予想を全面的に見直し、新たに2017年3月期の業績を予想している。そこで、以下に注目のポイントをご紹介したい。
上場会社の約7割を占める3月期決算会社の前2015年3月期決算は、決算遅延状況にある東芝グループなど一部を除き出そろった。前期実績の合算営業利益の前期比増益率は製造業12.0%、非製造業2.2%、全産業では7.7%となっている(金融を除く)。
今2016年3月期はさらに増益に弾み
会社四季報の独自予想の集計では、今2016年3月期営業利益の前期比増益率は製造業16.7%、非製造業10.3%、全産業14.0%と、さらに増益の勢いが増していく予想となっている。
今年3月に発売した2015年春号(第2集)の推計値と比較すると、営業増益率は製造業で0.1ポイント、非製造業1.1ポイント、全産業0.7ポイントとそれぞれ若干のマイナスになったものの、基調は変わらず強いものと言える。
前期は、非製造業、とりわけ小売業などリテール産業が、消費増税後の駆け込み需要の反動減や増税による消費低迷の長期化に苦しんだが、今期はその影響が一巡する。
一方、製造業では紙パルプ業界のように値上げが浸透している業界があること、引き続き円安効果によって輸出関連業界が好調であることが全体の増益率に大きく寄与している。またIFRS(国際財務報告基準)導入企業が増加し、のれん代の償却がなくなったことも利益を押し上げる要因の一つとなっている。
『会社四季報』では、今期の為替レートの想定を、1ドル=115~120円、1ユーロ=125~135円に置いている。会社側が今期業績計画の前提としている為替レートが、四季報の前提レートと異なる場合には、為替感応度を考慮して四季報独自に業績予想を加減している。
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