ランボルギーニ最新旗艦車種「レヴエルト」の魅力 あの「カウンタック」がこんなにも進化した

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V型12気筒6.5リッター自然吸気エンジンに、3基の電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドを採用している(写真:Automobili Lamborghini)

最大のトピックが、いよいよの電動化である。レヴエルトはHPEV(ハイパフォーマンスEV)と名付けられたプラグインハイブリッド採用。V型12気筒6.5リッター自然吸気エンジンに、フロント左右に1基ずつ、リアに1基の計3基の電気モーターを組み合わせている。

発進や加速のアシストなど、内燃エンジンにとって負荷が大きく、つまり多くのCO₂を排出する場面を電気モーターに任せることによって、先代アヴェンタドールの最終型である「ウルティマエ」に対して、CO₂排出量を実に30%も削減してみせた。伝統のV12ユニットを、電気の力で生き長らえさせたわけである。

真価はそれだけではない。このエンジンと3基の電気モーターの合計最高出力は実に1015HPにも達する。おかげで静止状態から時速100kmに到達するまでには、たった2.5秒しか要せず、最高速度は350km/hに達する。

しかも、これらの駆動力を緻密に制御することによって、運動性能も飛躍的に高めているのが、このシステムの特徴だ。わかりやすく言えば、たとえば右コーナーでは左前輪に多くの駆動力を与えることで、車体に右向きの回転運動を加えて曲がりやすくするといった制御である。

パワートレインの構成は大きく変化

マニアックな話になるが、この電動化によって大きく変化したのがパワートレインの構成だ。

クンタッチ以来、使われてきたのは前後逆向きに搭載されたエンジンの出力を一旦前方に取り出し、運転席と助手席の間のセンタートンネル内に置かれたトランスミッションで折り返すかたちで後輪に伝えるレイアウト。これは全長の嵩張るV12エンジンを使いながら、車体を可能な限りコンパクトにとどめるために考えられたアイディアだ。

それがレヴエルトでは、エンジンが通常の向きに積まれ、電気モーターを内蔵したトランスミッションはその後ろに置かれる、定石通りの配置とされた。代わりにセンタートンネルに収められたのは容量3.8kWhの駆動用リチウムイオンバッテリー。トランスミッションには、材料置換などにより軽量化の余地があるが、リチウムイオンバッテリーは小型化にも軽量化にも限界がある。天秤にかけたうえで、この配置が選ばれたのだろう。

これまでのランボルギーニと異なり、エンジンは通常の向きに積まれ、電気モーターを内蔵したトランスミッションはその後ろに置かれる。センタートンネルにはリチウムイオンバッテリーが搭載される(写真:Automobili Lamborghini)
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