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欧州「新型寝台車」需要拡大だけでない導入の理由 「ナイトジェット」イタリア防火対策強化に対応

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また、自社で保有する車両の多くは経年30~40年、一番新しい車両でもドイツから譲り受けた寝台車が約20年という状況で、車両の老朽化、内装の陳腐化が進行しており、現代水準へ合わせるべく更新工事が必要な時期となっていた。

ドイツ鉄道の塗装のまま営業に就くナイトジェットの客車(撮影:橋爪智之)

オーストリア連邦鉄道にとって、さらに大きな問題となったのが、イタリアでまもなく施行される予定の「新防火基準」だ。イタリアでは、車両火災発生の際に迅速な消火が行えるよう、最新の火災探知装置およびスプリンクラーの搭載が義務付けられることになった。

イタリアに乗り入れる他国の車両についても対策が必要となったが、現在ナイトジェットに使用されている車両すべてに改造を施すことは、車両の経年を考えても得策とは言えない。一番手っ取り早い方法は、最新の防火基準に対応した新型車両を製造し、従来型車両を置き換えることだ。

新車は7両編成33本を導入へ

こうした流れもあって、オーストリア鉄道は早い段階で新型車両の導入を計画、2018年にドイツのシーメンスと7両編成13本の新型寝台客車製造に関する契約を結んだ。

契約については、昼行の優等列車レイルジェットの新型車両も含み、最大で700両、15億ユーロ(約2347億円)規模の大型契約となった。ただし、ナイトジェットは7両編成13本で91両、レイルジェットは9両編成8本で72両、合計で163両となり、契約した金額を考慮してもオプションで追加発注されることを示唆するものだった。

ウィーン中央駅に停車中の新型ナイトジェット(撮影:橋爪智之)

2021年には、7両編成20本の追加発注が行われ、新型夜行用客車は合計で7両編成33本に増加、これらは2025年末までに納入を完了する予定となっている。

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