「ChatGPT」は仕事を助けてくれる相棒、劇的な効率化を実現した教員の活用術 授業計画から問題作成、校務と幅広く使える
2つ目は、「個人情報は絶対に送信しないようにすること」。ほかのサービスでも同様ですが、インターネット上のサービスには必ず情報漏洩のリスクが伴います。以前には、他者のチャット履歴が見えるようになっていたという事案も起こっており、児童生徒の名前や成績などの個人情報をチャットで送ってしまうということがないようにしなければなりません。
3つ目は、「著作権を侵害しないようにすること」。文部科学省の『初等中等教育段階における生成 AI の利用に関する暫定的なガイドライン』によると、類似性(他人の著作物と似ているか)と依拠性(他人の著作物を基に創作したか)の両方が認められる場合は著作権侵害になりうるとされています。
例えば、「次の歌詞を学校版に書き換えてください。(最新の楽曲の歌詞を入力)」といったプロンプトで、替え歌を出力させてそれをインターネット上に公開すると著作権侵害となりえます。
学校の授業内での使用については、著作権法第35条によって問題ないとされていますが、インターネット上で公開したり、コンテストに提出したりする場合は、著作権者の許諾が必要となります。
Excel作業や授業準備を「劇的に効率化するコツ」2選!
さて、プロンプトの書き方や注意点を確認したところで、もう少し具体的に、私がどのようにChatGPTを活用しているのか、活用例を2つ紹介したいと思います。実際に私が使用したプロンプトも全文掲載しているので、ぜひコピペしてお試しください。
【活用例(1)】Excel作業を効率化
私は、繰り返しのあるExcel作業はChatGPTにマクロのコードを書いてもらって効率化しています。次の動画では、「教師用時間割」から「クラス用時間割」の作成を、ChatGPTが書いたコードで自動化しています。
これまでは、手作業で教師用の時間割から、クラスごとに1つひとつ授業を探して表を埋めて、最後には読み合わせをして……というふうに進めていました。そんなかなり骨の折れる作業が、マクロを使えば一瞬で終わらせることができます。
今回使用したプロンプトは、次のとおりです。正直、自分が見返しても、とても読みづらいプロンプトですが、「どう操作してほしいのか」をできるだけ詳しく順番に説明することで、ChatGPTはしっかりと理解し、コードへ直してくれます。
エクセルのマクロを書いてほしい。
1:ダイアログで、「時間割のデータが入っている範囲」を指定できるようにする。
例えば、B4からAF61までデータがあればその範囲を指定できるようにする。
2:ダイアログで、「時間割を作成するクラス」を指定できるようにする。
デフォルトで11, 12, 13, 21, 22, 23, 31, 32, 33を入れておく。
3:「実行」を押すと4以下の動作がスタート。
「キャンセル」を押すとダイアログを閉じる。
4:「クラス別時間割」というシートを新しく作成する。
もし、このシートがすでにあれば、数字を追加して別の新しいシートを作成する。
5:ここからは元のシートに戻り、「時間割を作成するクラス」を一つ一つ処理していく。
「時間割を作成するクラス」の1つ目の値を検索する文字列とする。
「時間割のデータが入っている範囲」で左から1列ずつ検索をする。
そして、検索結果の1つ下のセルをコピーする。
これを「クラス別時間割」のシートにペーストしていく。
6:検索範囲の「時間割のデータが入っている範囲」の列が変われば、ペーストする列も1つ右へずらす。
検索対象の「時間割を作成するクラス」が変われば、ペーストする行を1つ下へ行を変える。
7:「時間割を作成するクラス」の最後までこの作業を繰り返す。