"私がなぜ?"多発するSNS広告のなりすまし被害 投資反対派・荻原博子氏の顔写真が投資広告に
ところどころにおかしな日本語があり、違和を感じた。また、広告には「荻原博子のLINEを追加すれば無料で(投資勉強会に)参加できます!」と記載されていた。
さらにほかにも複数のネット広告に、自身の画像が無断で使われていた。なかにはネットニュースと似た体裁を取り、本物の記事と間違えそうなものもあった。
全ての広告に共通していたのは、LINEの登録を促していたことだった。荻原さんはLINEもSNSもやっていなかった。
「絶対に騙されないでください。LINEの登録なんて絶対にしてはいけません。こんな低金利の時代、1%以上儲かる話は詐欺です。月に30%など、そんな美味しい話はありません」
と訴える。
荻原さんはその後、「なりすまし」のネット広告が掲載されていたFacebookを運営するメタ社の日本法人フェイスブックジャパンに削除を要請。しかし、一向に消されないという。
掲載を見つけてまもなく2年。把握しているだけで9個のネット広告で、画像を無断使用されている。
「どうか騙される被害者が生まれることだけはないように。そう願うばかりです」
相次ぐ有名人の「被害」
画像を無断使用され、なりすましの広告に利用される被害は、荻原さんだけではない。
起業家の前澤友作さんは今年9月、X(旧ツイッター)に「拡散希望・Facebook社を責任追及します」といった内容を投稿した。
前澤さんをよく知る関係者によれば、
「なりすまし広告がFacebookやInstagramで大量に見つかり、削除要請しているにもかかわらず、一向に対応されなくて痺れを切らしていた」
と語る。
実際に前澤さんは、フェイスブックジャパンから「対応できない。問い合わせはアメリカの本社に」と回答があった旨をXに投稿。さらに9月7日にはXで、アメリカの本社に文章を送付したことを明らかにした。
前澤さんは今年6月、調査グループを自ら立ち上げ、自分の写真を無断で使用するといったなりすまし広告の調査を実施。その結果、該当する広告の数は約2000個にも上り、いずれも投資に関する内容で、LINEの友達登録を誘導するものだったという。
ネット広告に詳しい業界関係者は、
「このような広告は業界でも問題視されており、堀江貴文氏やお笑いコンビ『ロンドンブーツ1号2号』の田村淳氏なども同様の被害を受けている」
と言う。