岸田首相が開けた政権崩壊への「パンドラの箱」 「財務・検察離反」や「池田氏死去」で大ピンチ
これに対し、岸田首相は直前までアメリカ・サンフランシスコでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席し、習近平中国国家主席との日中首脳会談を実現するなど、岸田外交を内外にアピールすることでの態勢立て直しに躍起となった。しかし、結果的には「支持率下落の歯止めにはならなかった」(官邸筋)のが実態だ。
岸田首相周辺も「首相がこだわった『減税』が批判のキーワードになり、いくらあがいても逆風は収まらない」(官邸筋)とうなだれるばかり。こうした状況について、自民党中枢の1人の森山裕総務会長も21日の記者会見で、「非常に危機感を持って受け止めている」としたうえで「今は党を挙げて岸田首相をしっかり支え、信頼回復に全党で取り組んでいくことが大事だ」と厳しい表情で繰り返した。
岸田首相への逆風が、自民党そのものへの逆風に
多くの世論調査をみると、岸田首相が「適材適所」を強調してきた政務3役で、職責に絡んだ辞任ドミノが起きたことについて、大多数が「首相の任命責任は重大」と受け止めている。さらに岸田首相が打ち出した所得減税や現金給付も「評価しない」が平均で6割以上にとなり、自民党内からも「1年限定での税金の還元という発想自体が『馬鹿にしている』と国民を怒らせた」との指摘が相次ぐ。
さらに「岸田首相への逆風が、自民党そのものへの逆風になりつつある」(麻生派若手)との不安も広がり、党有力幹部も「世論全体が『岸田さんを支持する』と言いにくい空気になっている」と天を仰ぐ。
そうした状況に追い打ちをかけたのが、自民党5派閥の政治団体が政治資金パーティーの収入を政治資金収支報告書に過少記載したとする告発状をうけての東京地検特捜部の捜査だ。各メディアは同特捜部が各派閥の担当者に任意の事情聴取を進めていると報じ、21日から始まった衆院予算委で泉健太立憲民主代表を先頭に「各派閥の収入の不記載は合計4000万円を超える」と指摘し、自民党総裁で岸田派会長でもある岸田首相に対して説明を求めた。
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