女性の活躍推進が会社の競争力強化につながる--あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 金杉恭三常務執行役員/第4回ダイバーシティ経営大賞女性管理職登用部門賞受賞記念スピーチ

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このたびは「女性管理職登用部門賞」ありがとうございます。私どもは、長い社名のとおり2010年10月、あいおい損保とニッセイ同和損保が合併して誕生した会社です。私自身、あいおい損保で06年に人事部長に就任したときからの5年間の取り組みについてお話をさせていただきたいと思います。

もともと、弊社は女性が活躍している会社でしたが、私が人事部長になったとき、当時の社長から「とにかく女性が生き生きと元気に働ける、そういった会社をつくってくれ」とハッパをかけられました。当時はちょうど人事制度の改革を行っておりまして、いわゆる総合職・一般職を廃止し、また当時11職種もあった社員制度を一本化することを柱とした大改革だったので、「女性の活躍推進にちょうどいい。制度改定の中で女性を前面に出していこう」と考えました。

働く女性のために諸制度をつくったり、「くるみん」を取得したり、企業内保育園を設置したりしつつ、リーダーとなりそうな女性を固有名詞で管理--管理という言い方は響きが悪いのですが--要するに教育や異動、あるいは昇格に際して一人ひとりピックアップしながら実施するなど、考えつくものは何でも行ってきました。その結果、07年度では女性の課長以上が22名、ライン長はたった7名しかいませんでしたが、11年度は合併で少し会社が大きくなったということもありますが、課長以上が100名、ライン長が30名に拡大することができました。

当時は、「女性をとにかく抜擢しよう」「ロールモデルを作らなくてはいけない」「男性上司の意識改革が必要だ」など、いろいろ行ってきましたが、そうした取り組みが進んでいく中で、実は女性の活躍推進というのは会社の競争力の強化になるということを実感するようになってまいりました。

と申しますのは、当時、保険会社は、「女性は内部事務、男性は外回り」のような固定的な概念が残っておりまして、営業の男性は元気がよければ少々業務知識がなくても気合で何とかなる、といった風潮がありました。しかし、06年ごろ、業界では保険金未払い・保険料の過払い問題という皆様にご迷惑やご心配をかけた事件が起こりました。

それ以降はこの問題を契機に、保険会社の社員たるものはしっかりとした業務知識を持ってお客様に、言いにくいことも言い、駄目なものは駄目ということをしっかりと言える人材が求められるようになり、女性は実は営業向きでありお客様に信頼を得られるという現象が現実に起こってまいりました。したがいまして、弊社では「女性の活躍・登用」は「競争力の強化」につながるとの確信を持って、さらに女性活躍推進やダイバーシティの取り組みの一層の強化を図ってまいりたいと思っております。

また最後になりましたが、今回の受賞の内示をいただいた直後、東日本大震災が起きました。被災された方には心よりお見舞い申し上げるとともに、私ども保険会社としましても、地震保険のお支払いはもちろんのこと、全社挙げて復興支援のお手伝いをさせていただきたいと思っている次第です。
 本日は「女性管理職登用部門賞」をいただき、誠にありがとうございました。

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