フジ「苦戦」日テレ「快走」、テレビ局の明暗 スポット広告が頭打ち、どこで差がついたか
そして2015年に入り、日本テレビとフジテレビという、明暗の構図が明確になりつつある。
フジテレビは1980年代からトップを走り続けてきた。ゆえに番組内容はどうしても保守化してしまう。2013年4月から亀山千広社長が舵を取り、同年10月には長寿番組「笑っていいとも!」を打ち切るなど、大胆にメスを入れた。2014年6月には約1000人もの大規模な人事異動をし、今年4月には全日帯(6:00~24:00)の改編率で37%に達するほど番組を入れ替え、荒療治を断行している。
しかし、社長就任後の新番組はどれも視聴率が低く、苦戦している。「いいとも」の後を継いだ「バイキング」は司会者の変更などでコンセプトが迷走中。看板キャスターの安藤優子アナウンサー起用で挽回を図った情報番組「直撃LIVEグッディ!」も視聴率が一時1%台に落ち込んだ。この6月にはフジ・メディア・ホールディングスの太田英昭社長がわずか2年間で産経新聞会長へと転出した。やはり、染みついた視聴習慣を変えるのは、簡単ではない。
日テレが成功させた構造改革
他方、日本テレビは2006年10月頃から、番組編成の構造改革に取り組んだ効果が出てきた。
同年10月には「きょうの出来事」を終了し、新たに「NEWS ZERO」のスタートで、23時台の改革に着手。2007年4月からはプライム帯(19:00~23:00)に手を入れ、バラエティでは「人生が変わる1分間の深イイ話」(月曜21:00)や「しゃべくり007」(同22:00)を始動している。また平日日中の帯番組でも、2006年4月から「スッキリ!!」、2006年7月から「情報ライブ ミヤネ屋」を展開することで、幅広な時間帯で視聴者の取り込みを図った。
他局が大型スポーツ番組や特別番組、過去のドラマの再放送などに依存したタイムテーブルを編成する中、日本テレビは通常のレギュラー番組の育成を重視してきたのである。
結果として前2015年3月期には明暗の差がついている。日本テレビホールディングスが前々期比5.7%の営業増益だったのに対し、フジ・メディア・ホールディングスは同14.7%の減益に沈んだ。その意味では日本テレビは10年越しの構造改革で結果が伴ったと言えよう。
フジ・メディア・ホールディングスの株価・業績、日本テレビホールディングスの株価・業績 は「四季報オンライン」で
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら