10年ぶり刷新!セブン「サンドイッチ」の凄み 「丸刃スライサー」で食感が変わった

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具材については、定番食材であるツナ、ハム、卵サラダをリニューアル。しっとりしたパンにマッチするよう「ジューシーさ」をコンセプトに変更を行った。例えば卵サラダは、半熟ゆで玉子を配合してしっとり感をアップしている。

「しっとり感」がにじみ出ている

なお、あまり知られていない事実だが、サンドイッチの卵サラダやおでんのゆで玉子に使われている卵は、セブン-イレブンのオリジナル。鶏の餌にハーブを混ぜており、卵により旨味やコクが感じられるのだそうだ。

舌に触れる部分が滑らかに

食パンを切るスライサーだけでなく、具材を挟んだ後、三角形にカットするためのスライサーも変更。2種のスライサーを具材のやわらかさに合わせて使い分けることで、断面が崩れることなく、きれいに切ることができるようになった。舌に触れる部分がなめらかになり、具材のおいしさがダイレクトに感じられるという理屈だ。こうした小さな工夫を積み重ねることにより、素材そのものの味がより生かされ、サンドイッチ全体としてのおいしさを作っているのだ。

「当社にとっては本当に大きなリニューアルなので、我々開発担当者もその分プレッシャーを強く感じており『絶対、おいしいものにしなければ』という思いがあります」(佐藤さん)。

全国展開に先立って一部、新しくなったサンドイッチが売り出されている地域では、すでに「おいしくなった」との満足の声が寄せられているそう。とはいえ東京をはじめとする大部分の地域はこれから。期待する反面、まだまだ気が緩められないだろう。

「お客様はスーパー、デパート、レストランなどさまざまなチャネルを利用しており、おいしいものをよくご存知です。そのお客様の目線で商品開発を行おうとすれば、『コンビニだから』という言い訳はできませんし、ライバルもコンビニだけではない。『どこにも負けない商品』を提供していきたいと思っています」(佐藤さん)。

そうした「どこにも負けない商品」の開発を支えるのが、チーム力。具体的に言えば「チームMD(マーチャンダイジング)」の仕組みだ。セブン-イレブンのオリジナル商品は、同社開発担当者だけではなく、製造メーカーや原料・資材のメーカーなどとの混合チームで開発される。

これにより、課題に対してさまざまな視点から検討することができ、商品がよりブラッシュアップされるわけだ。

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