「消しゴムの使い方」で成績伸びるかわかる根拠 なぜそう判断できるのか?その奥深い理由

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「ちょっとくらいいいだろうと妥協して自分を甘やかすな!」とは耳が痛い話ですね。矢島くんも思わずヒートアップしてしまっています。

ただ、東大生を見ていると、やはりこれは的を射た指摘だなと思わずにはいられません。合格するのは、自分のミスに非常に厳しい人たちばかりだからです。

東大生が受験勉強で使っていた演習ノートを見ると、ミスがあればそのまま残しておき、大きな印などで一目でわかるようにしているケースが非常に多いです。

「ここでミス!正しくは〇〇!」とか「□と△を混同している!」など、原因がはっきりわかるようにして、同じミスを防ぐ工夫をしているのです。「二度とするな!」、「集中!」など、自分を戒める言葉を横に添えている人もよく見かけます。

ミスを防ぐための対策も質が高い

また、ミスを防ぐための対策も質が高いです。例えば、計算で符号ミスをしたとしましょう。普通なら「符号に気をつける!」とノートに書きたくなりますよね? ですが、「気をつける」というのはただの精神論であり、実際に何をすればいいのかわかりません。

こういう場合、東大生の人たちは決して「頑張る」とか「気をつける」といったあいまいな言葉を使いません。

対策として「まず計算式の中にあるマイナスの数を数える。次に、答えの符号を決めてから数字の計算に取りかかる」といった具体的な手順を考えます。「こうすればミスしない」というポイントが明確になっていれば、落ち着いて集中できますよね。何をすればいいのかわからないままでは、「また失敗したらどうしよう」という不安から逃れることはできません。

頭のいい人は要領がいいとか成長が早いといったイメージがあると思いますが、それは1つの失敗から確実に学びを得て課題を克服するからこそではないでしょうか。人と同じ経験をしても、そこから得るものの量が違うと言ってもいいかもしれません。

このような学びは、ミスを消しゴムで「なかったこと」にしてしまうとできないことです。ミスを可視化して向き合うことは時につらくもありますが、成長には欠かせない姿勢であることは間違いないでしょう。つい同じ失敗を繰り返してしまうという人は、ぜひ参考にしてみてください。

青戸 一之 東大卒講師・ドラゴン桜noteマガジン編集長

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あおと かずゆき

1983年生まれ、鳥取県出身。地元の進学校の高校を卒業後、フリーター生活を経て25歳で塾講師に転身。26歳から塾の教室長としてマネジメント業を行う傍ら、学習指導にも並行して携わる。29歳の時に入塾してきた東大志望の子を不合格にしてしまったことで、自身の学力不足と、大学受験の経験が欠如していることによる影響を痛感し、30歳で東大受験決意。塾講師の仕事をしながら1日3時間の勉強により33歳で合格。在学中も学習指導の仕事に携わり、現在は卒業してキャリア15年目のプロ家庭教師・塾講師を行う傍ら、ドラゴン桜noteマガジンの編集長を務める。

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