翁長沖縄県知事が人々を熱狂させるワケ 安倍政権が"カリスマ"を生み出した

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安倍政権が「切り札」と考えている沖縄懐柔策のひとつに、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」の誘致や、カジノ建設があるとささやかれている。だが、そうした“アメ”が、どこまで通用するのだろうか。

革新勢力を翁長支持に集結させた立役者のひとりで、辺野古のある名護市選出の県議、玉城(たまき)義和さんは、こう話す。

「沖縄の本気度を、安倍さん、菅さんは見誤っています。過去の沖縄は保守が安保賛成、革新が基地反対で割れていましたが、『基地の整理縮小』の一点で保革が折り合いをつけた。これは崩せません。沖縄の状況は、復帰後最大の住民運動の高揚期に入っています。東京は事態の深刻さを認識できていない」

厳しい対米交渉、駐日大使もダメ

沖縄は、米国とも向き合わなくてはならない。翁長氏は27日から20人以上を引き連れて訪米し、沖縄の民意を説明する方針だ。しかし、日程が近づくにつれて、悲観的な見方が強まっている。先の日米首脳会談では、安倍首相とオバマ大統領が「辺野古移設が唯一の解決策」と確認したばかり。翁長氏が米国で冷淡に扱われる可能性は高い。

米国に基地問題と女性の人権問題を訴えてきた沖縄社会大衆党の参議院議員、糸数(いとかず)慶子さんも、翁長訪米に合わせてワシントンに滞在するが、状況の厳しさは感じている。昨年6月に沖縄を訪問したキャロライン・ケネディ駐日米大使とのやり取りを振り返って、こう話す。

「何度も面会を依頼しても会えなかったので、このときは半ば強引に近づいて名刺を渡しました。ところが、基地の話を始めたとたん、『大変お美しいですね』と関係ない話ではぐらかされてしまいました」

会いたいと頼んでも、大使はイエスともノーとも言わず、笑顔で車に乗り込んだという。

名護市辺野古の海兵隊キャンプ・シュワブ周辺の空気は、すさんでいた。反対グループによる24時間態勢の座り込みは、300日を数える。道ゆく車に反対への賛同を呼びかける人々。そこに沖縄に本拠を置く右翼団体の街宣車が近づいた。付近に待機していた私服警官たちが飛び出してブロックし、Uターンさせた。「反日行動はやめろ」「翁長は売国奴」。拡声機の声が響く。

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