タカタ、リコール費用はどれだけ膨らむのか エアバッグ問題で全米リコールが3400万台に

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エアバッグで世界2位のシェアを持つ有力部品メーカーだったが・・・

恐れていた通り、タカタのエアバッグのリコール(無償回収・修理)がさらに拡大した。米国でのリコール対象は約3400万と従来から倍増し、史上空前の規模に膨らんでいる。

米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は5月19日、タカタがエアバッグの欠陥の存在を認め、全米規模でのリコール実施で合意に至ったと発表した。米国での発表を受けて株式市場は仰天。20日の株価は前日比で10%も下落した。

タカタは18日付けで4件の欠陥報告書をNHTSAに提出。その中で、エアバッグを膨らますインフレーターについて、高温多湿の環境に長期間さらされるなどした場合、ガス発生剤となる火薬が過剰燃焼し、インフレーターが破損する可能性があることを認めている。

破損のおそれがあるエアバッグは、ホンダやトヨタ自動車、米ビッグ3、独BMWなどの11社の自動車に搭載されており、合計3380万個に上る。だだし、このうち1570万個は、すでに自動車メーカーによるリコール対象となっており、新たに1810万個のリコールを迫られることになった。

累計のリコール台数は5000万?

これまでタカタ製エアバッグが異常な破裂をする問題では、関係性が疑われるものを含めると、6件の死亡事故が発生している。

2008年以降、ホンダが複数回のリコールを行っており、2013年にはトヨタや米GMなどほかのメーカーにも拡大。2015年3月末までのリコールはグローバルで2000万台を超す。さらに、日本では5月13日にトヨタと日産自動車、14日にホンダとダイハツ工業が、合計363万台のリコールを届け出た。これを含むグローバルでの新たなリコールも約1000万台と大きい。

従来の2000万台超に加えて、日系メーカーによる新たなグローバルのリコール、今回の米国で新たに追加される分を勘案すると、合計5000万台近く。米国の一件で、自動車メーカーはほかの国でも対応を迫られる可能性もある。となると、タカタはどれだけの費用負担を強いられる可能性があるのか。

リコール費用の分担について、タカタは原因究明を待った上で自動車メーカーと協議するという従来の姿勢を崩していない。だが、エアバッグにおける欠陥の可能性を認めているだけに、費用負担を免れるとは考えにくい。

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