2010年代初頭に財政危機で事実上破綻したギリシャ経済がいま、「奇跡の復活」を遂げている。

7月の再選挙で自身が率いる中道右派の与党・新民主主義党(ND)が単独過半数を獲得し、続投が決まったキリアコス・ミツォタキス首相。ギリシャの経済改革を主導している(写真:Bloomberg)
ドイツを中心に深刻なスタグフレーション(高インフレと経済停滞の同時進行)にさいなまれる欧州経済だが、例外的に明るい国もある。その代表格がギリシャだ。
ギリシャの景気は、主力の観光業が打撃を受けたことなどから、コロナショック直後にはユーロ圏全体よりも深刻な落ち込みを経験した。その後も2020年の間は、ギリシャの景気回復力は弱いままだった。
いまやユーロ圏全体を上回る経済成長率
しかし2021年に入ると、設備投資や輸出が息を吹き返し、ギリシャの景気は急速に回復した。さらに行動制限の緩和で欧州への旅行需要が刺激されると、観光業も復活して景気の回復を牽引するようになった。2022年に入るとギリシャの景気回復はさらに弾みを増し、ユーロ圏全体を上回るテンポで、ギリシャ経済は成長している。

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