バス会社が運営「書写山ロープウェイ」の舞台裏 神姫バス、姫路城以外の観光地へ周遊拡大狙う

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その駅前から路線バスで約30分、終点で「書写山ロープウェイ」に乗り継いで行ける観光地が書写山圓教寺。岩山の中腹に建つ摩尼殿や、大講堂・食堂・常行堂の「三つの堂」といった伽藍を有し、「西の比叡山」と称される名刹だ。西国三十三所巡礼の第27番札所として参拝客でにぎわう。映画「ラストサムライ」や大河ドラマ「軍師官兵衛」でロケ地となったことから、もう1つの意味の聖地巡礼に訪れる観光客も多い。

神姫バス 燃料電池バス FCバス
終点に到着した書写山ロープウェイ行き。この車両は西日本で初めて導入した燃料電池バス(記者撮影)

書写山ロープウェイの旧駅舎であるふもとの待合所にはラストサムライの撮影で訪れたトム・クルーズ、渡辺謙両氏のサインが飾られている。一方、山上の旧駅舎は2022年3月、展望デッキ「ミオロッソ書写」としてリニューアルオープンした。

山上への足も神姫バスが担う

山上へのアクセスを担う書写山ロープウェイもまた、神姫バスが運営している。1958年に開業した姫路市の施設で2006年から同社が指定管理者となっている。全長は781m、高低差211m。乗車時間3分50秒で結ぶ。毎時00分・15分・30分・45分に発車。運賃は大人片道600円、往復1000円だ。2018年3月に新しくなったゴンドラは4代目にあたる。

ゴンドラを引っ張る曳(えい)索2本とレールに相当する支索1本の複線交走式普通索道という方式で、ロープでつながっている上り便と下り便は同時に発車する。書写山の場合、ふもとの駅にモーターがある機械室と運転室を配置。支索は山上で柔軟性がある緊張索を介し75トンのおもりをぶら下げることによって張られている。このような「山麓運転」は例が少ないという。

書写山ロープウェイは8月下旬の土日の午前と午後の計4回、それぞれ約10人を募集して「バックヤードツアー」を開催した。副所長の野村昌寛さんが「山の下に機械室があったほうがメンテナンスがしやすいですが、山の上ではより大きなおもりで支索を引っ張る必要があります」といった解説をしながら、巨大な滑車が回転する機械室など普段は立ち入れない場所を案内した。技術員の村上富彦さんは動くゴンドラの上に登り、空中で点検する様子を実演。参加者は驚きの声を上げながら眺めていた。

書写山ロープウェイ バックヤードツアー
バックヤードツアーの参加者は年齢層が幅広かった(記者撮影)
書写山ロープウェイ 機械室
ふもとの機械室。運転中は巨大な滑車が回転する(記者撮影)
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