4カ月後に迫った台湾総統選挙。8月末には鴻海グループ創業者の郭台銘氏も出馬を表明して、野党候補が3人となる事態に。選挙情勢はどうなってしまうのか(台湾政治研究者・小笠原欣幸氏の連載第7回、前回記事はこちら)
台湾総統選挙戦は1月の投票日のぎりぎりまでもつれるという印象があるが、実は2016年と2020年の過去2回は8月の攻防で勝敗が決した。「夏の陣」は非常に重要なのである。そして今年8月、選挙情勢は大きく動いた。
世論調査で支持率1位をキープしながらも停滞気味であった与党・民進党の頼清徳候補が支持率を伸ばし、民衆党の柯文哲候補、国民党の侯友宜候補に対するリードを大きく広げた。8月決戦は頼氏に軍配が上がったようだ。
8月の平均支持率は与党候補が優勢
台湾の世論調査は多々あるが、筆者は一定の信頼性があり前月との比較が可能な4社の世論調査を継続的に見ている(下図参照)。その4社の世論調査を使って、8月の3候補の支持者の平均値を算出すると頼清徳氏41.0%、柯文哲氏25.4%、侯友宜氏18.8%であった。7月の支持者の平均値は頼氏35.8%、柯氏28.0%、侯氏21.6%であったので、7月と比べた8月の変化は、頼氏が5.2ポイント上昇、柯氏は2.6ポイント下落、侯氏も2.8ポイント下落となった。
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