時にリスクテイク、CFOはただの「金庫番」にあらず 『CFO思考』ニコンCFOの徳成旨亮氏に聞く

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『CFO思考 日本企業最大の「欠落」とその処方箋』著者の徳成旨亮氏
徳成旨亮(とくなり・むねあき)/ニコン取締役専務執行役員CFO。慶応大学卒業、米ペンシルベニア大学大学院AMPOB修了。三菱信託銀行に入行。三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)CFOに選任され、5年間にわたりCFOを務める。2020年にニコンに移り現職。(撮影:梅谷秀司)
三菱UFJ時代、4年連続「ベストCFO」に選ばれた。ニコンに移ると、創業以来最大の赤字から大逆転。若者にもオジさんにも「アニマルスピリッツを持て」と叫ぶ。「CFO思考」は日本経済を救えるか。
『CFO思考 日本企業最大の「欠落」とその処方箋』(徳成旨亮 著/ダイヤモンド社/1980円/350ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──これまで「北村慶」というペンネームで書いてこられた。この本は初めて本名での執筆です。

ええ、満を持して。うれしいことがありました。編集者がミクシィ元社長の朝倉祐介さんに本の帯(推薦文)をお願いに行ったら、「えっ、徳成さんて、あの北村慶なんですか」と。朝倉さんは学生時代から社会人になりたての頃、北村慶作品を読んでくれていたらしい。「どうりでこの本は自分の考えに近いと思っていた。私はお釈迦(しゃか)様の手のひらの上で踊っていた孫悟空です」。それを聞いて、作家冥利に尽きると感じました。

成長のエンジンになるべき

──「CFOは冷徹な計算と非合理なまでの熱意を併せ持て」と。2つは二律背反です。

ベースは冷徹な計算です。金庫番なんだから。社長の暴走は、体を張って止める。ですが、日本の金庫番は金庫番で終わる。CFOは、時にリスクテイクをいとわず、成長のエンジンになるべきだ、というのが私の主張です。

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