名前が「エレガンス」ゲイの黒人監督の壮絶な半生 米国で人気作を続々生み出す「A24」の注目作
でも自分自身は、何となく無意識的ですが、自分は何かを成し遂げられるんじゃないかと思っていました。もちろんその方法もわからないし、何のドアをノックすればいいのかもわからない。誰に教えを請えばいいのかもわからない。
とにかく根拠はなかったけど、それでも何かしらのことは成し遂げられるんじゃないかと思っていたんですよ。
というのも、自分の名前がエレガンスなので、幼い頃から、近所ではちょっとした有名人だったんですね。「エレガンスって名前のやつがいるぞ」と言われて。みんながのぞきに来るような存在だったので、いつかは注目されて成功できるんだ、と思い込んでいたんです(笑)。
いろんな苦労を乗り越えて今がある
もちろん黒人でゲイだということで、人生においていろんな苦労はありました。それを乗り越えて今に至るんです。だからあの冒頭に出てくるホームレスの男性というのは、その当時、自分にいろいろと教えてくれたメンター的な人たちの象徴的存在として出したキャラクターです。
自分のまわりにいた多くの人がAIDSや、いろいろな理由で命を落としてきたんですが、映画のように自分に声をかけてくれて、若者には可能性があるんだということを教えてくれた人たちもいた。
なのでもしすべてを失って、絶望の淵に立ったとしても、何かしらの努力をすること、チャレンジすることが大切。それはこれまでの人生経験から学んできたことなので、それを観客の皆さんにも伝えたいと思っていました。
何かしらの危機的状況にある人、苦しんでいる人、もう変わることは無理だと諦めている人だって、行動に移せば人間は変われるんだと。この映画を観て、そう受け取ってもらえたらいいなと思っています。
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