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みずほ証券、新NISA時代の全方位作戦の勝ち筋 浜本吉郎社長「資産形成を生活の一部にしたい」

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新NISA時代に向けて変革を進めているみずほ証券(撮影:今井康一)
政府は2023年6月、「資産運用立国」を目指すと宣言した。そこで重要な役割を担うのが証券会社だ。不必要な仕組み債の販売など、顧客本位の原則を揺るがすような事態も相次ぐなか、どういった取り組みが進んでいるのか。みずほフィナンシャルグループ傘下のみずほ証券、浜本吉郎社長に聞いた。

収益で営業員評価はなぜダメか

――2024年には新NISAも始まります。証券会社の業務はどう変わりますか。

日本の家計に2000兆円の金融資産があるなかで、いまだに半分以上が預金に眠っている。政府がNISAを拡大し、恒久化してくれたことには大きな意味がある。この流れを一時のブームに終わらせずに継続的に、資産形成を生活の一部として定着させることが必要になってくる。

顧客とともに考えることが大事だ。ともすれば証券会社は顧客に対面してしまい、どうしたら報酬の高い商品を売れるのかというところに目線が行ってしまう。そう思わないにしても、「これはお客様のためになる」と会社都合で思い込んで売り込みに行ってしまうというところが少なからずある。

ただ、理想論だけ言っても変わらない。そこで営業員の評価の仕方を変えた。簡単に言うと収益評価を個人と店舗の評価から全部外すことにした。

もともと、評価のうち収益に関わる項目はそれほど大きくはなかった。「顧客本位をやれているか」などいろんな項目があって収益評価は15%くらいだった。正しく趣旨をわかっている営業員が大半だが、なかにはその「15%」が残っているがゆえに、それを「100%」にして動いてしまう「数字ができたら文句は言わせない」みたいな人がいた。それならいっそ評価項目から外してしまおうということになった。

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