「マツキヨココカラ」が都市部で強い納得の事情 地方では九州から発祥のコスモス薬品が進撃

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こうした話を聞けば、だったら他社も食品の比率を下げて、医薬品や化粧品を売ればいいと思うかもしれない。しかし、業界のトレンドとしては、その逆の方向に進んでいる。次の図は経済産業省の商業動態統計によるドラッグストアの市場規模と売上構成に関するデータである。順調に拡大を続ける市場規模、売り上げに占める医薬品や化粧品の比率が低下し、食品の比率が上昇していることがわかるだろう。

なぜ、そうなるかといえば、今も増えるドラッグストアの店舗の多くが大都市部ではなく、地方、郊外のロードサイドにあり、こうした立地の場合、集客材としての食品の品揃えが必要になるからだ。

大都市の駅前や繁華街ならば、人流が集まっているので、そこに出店すれば前を通る人が自然と店に入ってきやすい。しかし、地方や郊外の道路沿いに出店する場合、クルマはたくさん走っているが、歩いている人は少なく、クルマを停めて店に入ってもらう動機が必要になる。

安売り食品で顧客をつかむコスモス薬品

そのため、ドラッグストアではあるが、購買頻度の高い食品を安売りすることで来店動機をつくるという手法が一般的である。数ある競合店の中から選んでもらうため、安売り食品の売場が拡大していき、食品売上の比率も上がってきたというわけだ。それを究めたのがコスモス薬品であり、「フード&ドラッグ」という店舗スタイルを確立して、食品売上比率は6割程度にまでなっている。

このスタイルは地方の消費者の支持を得て、コスモス薬品はこの業界では当たり前のM&Aをせずとも、自前出店だけで業界4位まで成長した。しかし、その売り上げのうち、医薬品や化粧品というドラッグストアとしての主力商品だけをとってみれば、トップのマツキヨココカラの半分にも及ばない。

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