潜水艇行方不明、乗船するCEOが語っていたこと 多数の業界関係者が安全性を疑問視していた

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ノースカロライナ州のキャンベル大学で海事史を教えるサルヴァトーレ・メルコグリアーノは、潜水艇はボートやその他の船舶と異なり、特に国際水域で活動する場合、ほとんど規制がない、と語る。

タイタンはカナダの船に積み込まれ、タイタニック号の近くの北大西洋に投下されるため、国に登録したり、旗を掲げたり、他の多くの船舶に適用される規則に従う必要はなかったと同氏は指摘する。

「トレーラーの荷台に乗ったボートのようなものだ」とメルコグリアーノは語る。「警察は、トレーラーが道路を走るための要件を満たしているどうかは確認するが、船の検査はしない」。

1993年の旅客船安全法は、乗客を乗せる潜水艇を規制し、沿岸警備隊への登録を義務づけているが、タイタンはアメリカの旗を掲げておらず、アメリカの海域で操業していないため、適用されないと同氏は言う。

「規制があるから革新や成長がない」

ラッシュは過去にも、業界のお役所仕事と思われることについて公に語っている。

「商業用潜水艦業界では、35年以上にわたって負傷者が出ていない」と、ラッシュは2019年に出版されたスミソニアン・マガジンに語っている。「これだけの規制があるのだから、猥雑なほど安全だ。しかし同時にこの業界は革新や成長を遂げていない。それはいろいろと規制があるからだ」。

昨年のCBSの報道では、ジャーナリストのデビット・ポグがオーシャンゲートのタイタニック号見学の1つに参加しているが、乗船前にサインした書類には、これは「実験船」であり、「いかなる規制機関の承認や認定も受けておらず、身体的傷や心の傷、死に至る恐れがある」と警告があったという。

オーシャンゲートは、2021年と2022年の過去2回、タイタニックへの探検を行っており、今年5月のブログでは、新たな旅では「つねに新しい挑戦を期待している」と綴っている。

(執筆:Nicholas Bogel Burroughs記者、Jenny Gross記者、Anna Betts記者)

(C)2023 The New York Times 

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