「若者が辞める」悩む会社が見えてない問題の本質 「働きがい」をアピールしても定着が難しい理由

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だから思うのですが、もういっそ「働きがいがある会社」というアピールは控えめにして、別のメリットを推すのはどうでしょう?

「働きがい」を推せば、聞いたほうにも期待が生まれます。それで入社して「自分が考えていた働きがい」とは違ったとなればがっくりするし、転職に抵抗の少ない世代は簡単に退職してしまうでしょう。

まずは、すでに社内で働いている人たちの「働きやすさ」を改善してみませんか。「働きがい」は抽象的ですが「働きやすい環境」というのは具体的な実例があります。福利厚生がしっかりしている、人間関係が良好である、正当な評価をしてくれる。安心して仕事に集中できれば長くその会社で働きたいと思うものです。その状態を維持するために何かをしたいという気持ちは、個々の働きがいにつながるのではないでしょうか。

抽象的な「働きがい」という言葉より、福利厚生や待遇というのは就職活動中の若者に対しても伝わりやすいメリットです。

「働きがい」は心の余裕がないと気づきにくい

新入社員は上司や先輩をよく見ています。長く務めている人がどれくらいいるか、パワハラや残業はないか、不平不満や愚痴が会話の主体を占めていないか。今ここで「働きがい」を感じている先輩の背中が見えない会社が、「働きがい」がある会社に見えるでしょうか。

冒頭にも書きましたが、働きがいというのは実際にある程度の期間働いてみないとわからないし、働いた本人がどう感じるかによります。愚痴や不満などのネガティブなものほどすぐに気づきます。

働きがいを理由にすぐに辞めてしまう人には、働きがい以外の理由もあると思います。誇りや充実感などの「働きがい」は、心の余裕がないと気づきにくいものですから。

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