福島原発の危険評価をめぐる、米国政府と米原子力委員会(NRC)の温度差

福島第一原発の危険評価について、オバマ政権と米原子力委員会(NRC)との緊張が高まっている。NRCが極端に悲観的な見方を公式・非公式に流布していることに対し、ホワイトハウスは、日本政府の危機対応努力を不必要に混乱させ、日米外交の緊張関係をより高めるとして、日増しに怒りを募らせている。

物議をかもした50マイル圏外への避難勧告

NRCは、民間の原子力利用に関連するすべての問題を扱う唯一の政府機関だ。独立機関として、国内の政治やエネルギー政策のなかで、予測不能の存在でもある。民主党政権であっても共和党政権であっても、NRCとの意見の対立には常に神経を使う。政府が民間人の安全よりも原発関連業界の利害に寄り過ぎているのではないか、と選挙民に受け止められかねないからだ。

3月11日の地震と津波が福島原発に甚大な被害を与えて以来、その危険の程度について、ホワイトハウスとNRCの評価には食い違いがある。その温度差は先週末までは表ざたにはされなかったが、ここへきてホワイトハウス高官からNRCの見解に反論するような内容の指摘が匿名でメディアに流布されるなど、見解の相違が次第に明るみに出てきている。

両者の見解の食い違いの1つは、福島原発からの避難範囲についてだ。NRCは50マイル(約80キロメートル)圏内の避難を主張していたが、ホワイトハウス側は日本政府による20~30キロ(12~18マイル)圏内を避難区域とする指示に同調的な態度を示している。

NRCのグレゴリー・ヤツコ会長は、3月16日の議会証言において、福島第一原発の4号炉(=写真 4/10撮影)の使用済み核燃料貯蔵プールから水がなくなり、発熱を続ける燃料棒が露出して危険だときっぱり証言している。これに対し、日本の政府高官は4号炉の貯蔵プールの核燃料が外気に晒されているとの断言を否定。NRCもその後主張を一部改め、自らの見解に推測が含まれていたことを認めている。

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