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イビデン「半導体市況は調整でも投資緩めない」 台湾TSMCと共同研究、岐阜に2工場建設中

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イビデン社長の青木武志氏
青木武志(あおき・たけし)/イビデン社長。1958年生まれ。81年関西大学工学部卒業、同年に揖斐川電気工業(現イビデン)に入社。2016年副社長兼セラミック事業本部長などを経て17年から現職。18年からは技術開発担当を兼ねる。(撮影:永谷正樹)
パソコンやサーバーに搭載されるCPU向けに、ICチップの保護や電気信号のやり取りを行うためのパッケージ基板を供給するイビデン。同社は現在、岐阜県内で2工場を建設するという大増産投資の真っただ中にある。経済産業省から最大405億円の助成金も受けることになったが、半導体市況は低迷中。青木武志社長に勝算を聞いた。

──足元では半導体市況は調整局面にあります。今後の見通しは?

今2023年度の上期いっぱいは縮小が続くとみている。下期に入って少しは反転し始めると思うが、一気に戻るというよりは24年度後半あたりまでかけて22年度ぐらいのレベルまで緩やかに回復していくイメージだ。

パソコン市場はコロナ禍のテレワークやOSの更新需要によって極端に伸び、この2年の業績を引っ張ってきた。だがそうした需要はほぼ一巡し、今後も大きな伸びは見込めないだろう。

むしろこれから期待できるのはデータセンター向けの需要だ。通信が4Gから5G、6Gになるにつれ通信量は増えていくし、メタバースや最近はやりの生成系AIが普及すれば、それを扱うための半導体、データセンターが必要になる。この市場は毎年10〜20%の伸びになるだろう。

──データセンター向けのパッケージに力を入れていくことを打ち出しています。

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