パソコンやサーバーに搭載されるCPU向けに、ICチップの保護や電気信号のやり取りを行うためのパッケージ基板を供給するイビデン。同社は現在、岐阜県内で2工場を建設するという大増産投資の真っただ中にある。経済産業省から最大405億円の助成金も受けることになったが、半導体市況は低迷中。青木武志社長に勝算を聞いた。
──足元では半導体市況は調整局面にあります。今後の見通しは?
今2023年度の上期いっぱいは縮小が続くとみている。下期に入って少しは反転し始めると思うが、一気に戻るというよりは24年度後半あたりまでかけて22年度ぐらいのレベルまで緩やかに回復していくイメージだ。
パソコン市場はコロナ禍のテレワークやOSの更新需要によって極端に伸び、この2年の業績を引っ張ってきた。だがそうした需要はほぼ一巡し、今後も大きな伸びは見込めないだろう。
むしろこれから期待できるのはデータセンター向けの需要だ。通信が4Gから5G、6Gになるにつれ通信量は増えていくし、メタバースや最近はやりの生成系AIが普及すれば、それを扱うための半導体、データセンターが必要になる。この市場は毎年10〜20%の伸びになるだろう。
──データセンター向けのパッケージに力を入れていくことを打ち出しています。
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