品質不正調査に1年4カ月、三菱電機社長の決意 「もう二度と」上意下達の企業風土は変わるか

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組織風土を変えるためには何が大切か、社長が語った。

三菱電機の漆間啓社長
三菱電機の漆間啓社長は1年4ヶ月にわたる不正調査について「長くなってもやりきるべきだと考えた」と語った(撮影左:今井康一、右:梅谷秀司)
不正を起こさない企業風土をつくれるか――。
2021年6月の鉄道車両用空調装置の検査不正発覚を皮切りに国内16拠点、197件の不正が明らかになった三菱電機。弁護士らで構成された外部調査委員会とガバナンスレビュー委員会による調査は1年4カ月の長期に及んだ。不正の中には、約40年間もの長きにわたって行われてきたものもあった。
背景には同社が抱える組織風土の問題があった。ガバナンスレビュー委員会の山口利昭委員長は、「本社と現場のあまりにも大きなコミュニケーションの断絶があった」と語る。問題を二度と起こさないために必要なことは何か。漆間啓社長に聞いた。

長くても全部出すことが肝要

――調査には1年4カ月もかかりました。

当初予定していた調査終了時期は2022年4月末。(未調査の案件が)20%残っていたとしても、中身がほぼ同じであれば最終報告を終えたいとも思ったが、全部洗い出すことが肝要だと考えた。件数は多かったが、それは従業員が知っていることをすべて直接調査委員会に話してくれたからだ。

今回の調査で従業員はそうとう苦労した。調査委員会が大量のヒアリングをして、その過程でまだ不正がありそうだとなるとまた調査し、次のものを見つけていった。十数年前のドキュメントを出すなど、従業員も一生懸命協力することになり、(あまりの大変さに)「もうたまらない」「こんなことをもう二度と後輩にさせてはいけない」という声が結構あった。

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