日本のエンタメ・お笑い界を牽引する吉本興業ホールディングス。2022年に創業110周年を迎え、3月には自前の放送局「BSよしもと」の開局も果たした。“よしもと”の現状、今後の展開を岡本昭彦社長に聞いた。
──吉本興業は今年創業110周年となりました。
先人の社員や芸人の努力と、その時々にご支援くださった関係者、応援してくださった方々の力があって110周年を迎えられた。皆、笑いの力で世の中を明るくできると信じてやってきたと思う。そうした気持ちを受け継いで、次の世代につなげていきたい。
──コロナ禍で劇場を閉鎖したり、100億円程度のコミットメントライン(融資枠)を設定したりと業績へのダメージが気になります。
長期間劇場を閉めたのは戦時中以来で、収益へのインパクトもそうとうあった。結果的に芸人が働ける場所も失われた。
その中で始めたのが、オンライン配信。劇場の収益をリカバーするまでではないが、劇場のキャパシティー以上の人に見てもらえたため、ある程度補うことができた。
あとはYouTube。カジサック(梶原雄太)らが以前から取り組んでいたが、コロナ禍で収益が伸びた。その2つが新たなビジネスとして成り立ちつつある。
今、劇場は元どおりになってきているが、そこにライブ配信などが加わることで、コロナ前より収益が伸びる環境になっている。
融資枠は100億円まではいってはいない。融資枠をコロナ禍で多少引き上げたが、全体の融資枠の半分も借りていない。それも大半は以前から借りていたもので、少し負債が増えた程度だ。財務が大きく毀損しているわけではない。
会社の収益はテレビ局との取引が大きなウェートを占めている。たくさんの芸人が出演し、番組の制作協力もあり、今後も中心になることは間違いない。
売上高は非公開だが、非上場化前(編集部注:2010年非上場化、08年度連結売上高は488億円)よりも増えている。ライブ配信やYouTubeだけでなく、アマゾンやネットフリックスといった動画配信プラットフォームとの取り組みが貢献している。
この先も残り続ける不変のビジネスは2つ
──岡本社長は、つねに劇場・舞台の大切さを力説されています。
110年の歴史で、不変のビジネスが2つあるとよく言っている。1つは劇場の運営、もう1つは芸人のマネジメントだ。この2つはこの先も残り続けるだろう。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら