三菱電機の調査終了、1年半の混乱で見えたもの 日本社会全体に当てはまる問題も浮き彫りに

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長期にわたる調査からは日本社会全体に当てはまる問題が浮き彫りになった。

三菱電機の看板と漆間啓社長
不正が認定された16拠点、計197件の多くが顧客との契約どおりに検査をしていないなどといったものだった(撮影:今井康一)

1年4カ月に及んだ不正調査がようやく終わった。

10月20日、三菱電機の検査不正を調べていた外部調査委員会が最終報告書を発表した。三菱電機の製作所・分工場合わせて30拠点のうち、16拠点で計197件の不正が発覚。うち意図的なものは112件。管理職の関与が認定されたのは62件だった。

発端は2021年6月に発覚した長崎製作所の鉄道車両用空調の検査不正だった。社内では問題が認知されていたにもかかわらず説明抜きに株主総会を行ったことなどを批判され、当時の杉山武史社長が辞任する事態に陥った。後を継いだ漆間啓氏は同社の状況を「危急存亡の秋」と表現し、危機対応に追われた。

不正の多くは、顧客と合意した検査を実施しなかったり、合意とは異なる方法で試験・検査を実施していたりというものだ。顧客には合意どおり検査した旨の試験証明書を提出していた。

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