怒濤の3社買収、ミネベアミツミが狙う車載市場 コロナでも攻勢、元祖「買収王」が求める理想
今夏、立て続けに3社の買収を発表したミネベアミツミ。コロナ禍でも攻勢を続ける理由とは。
買収で大きく成長してきた中で、今回は狙い通りの成果を出せるか。
2022年夏、機械部品大手のミネベアミツミは立て続けに3社の買収を発表した。
7月29日、パナソニックホールディングスの持ち分法適用会社で、コネクターを手がける本多通信工業に対する公開買い付けを発表。完全子会社化を目指しており、買収総額は約162億円にのぼる。
同日、子会社であるミツミ電機が住友金属鉱山の完全子会社である住鉱テックを買収することも発表した。住鉱テックも本多通信工業と同様にコネクターを手がけており、買収完了は11月を予定する。住鉱テックの買収金額は数十億円程度と推定される。
それから1週間も経たない8月4日には、キーシステムを扱うホンダの完全子会社、ホンダロックの買収も発表。2022年内の買収完了を予定している(買収価格は非公表)。
今回の買収費用は一部借り入れでまかなう。2023年3月末時点でのM&Aに関連したネット有利子負債の増加は340億円と見込んでいる。2022年3月末の有利子負債が869億円だったことを考えると、買収による財務への負担は小さくない。
元祖「買収王」の異名
ミネベアミツミ(旧ミネベア)は小型ベアリングを祖業とする機械部品大手。古くは1970年代から多くの買収を手がけてきた。1985年には、三協精機(現日本電産サンキョー)に対し、敵対的買収を仕掛けようとしたこともある。
2017年1月には電子部品を手がけるミツミ電機と株式交換で統合し、社名を「ミネベアミツミ」へと変えた。2019年4月には自動車のキーシステムなどドア部品を扱うユーシン、2020年4月にはアナログ半導体事業を行うエイブリックを買収した(ユーシンの完全子会社化は2019年8月)。
今夏の買収で拡大を狙うのは車載市場だ。
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