三菱電機、不正止まぬ「企業風土」の根深い弊害 全社改革に現役社員とOBから懸念や諦めの声

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調査委が全社員に実施したアンケートへの回答を、上司が事前チェックも。「上にものを言えない」企業風土を変えることは容易ではない。

不正撲滅へ風土改革に取り組む三菱電機。数年前まで三菱電機に勤めていた男性は、「パワハラ以外のマネジメント方法を知らないと自嘲する幹部までいた」と証言する(撮影:今井康一)

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問題発覚からおよそ半年。社内改革の成果はいまだ見えてこない。

三菱電機の外部調査委員会は12月23日、全国の工場で相次ぐ品質不正について2回目の調査報告をした。5工場で新たに29件の不正を認定した。一部の工場では、全社で不正撲滅に向けた改革が始まった後も、虚偽の試験成績書を作るなどの不正を続けていたことが判明した。

この日、ガバナンス体制や役員の責任を検討する「ガバナンスレビュー委員会」も報告書を公開した。経営陣に善管注意義務違反などの法的責任は認められないとしつつも、全社点検をした2016年以降に不正をあぶり出せなかった責任があるとした。報告を受けて三菱電機は、漆間啓社長を含む新旧役員12人に報酬減額の処分(元職には自主返納要請)を下した。

上長の命令は絶対、「まるで軍隊」

調査委が不正の背景として改めて問題視したのが、10月にも指摘した「ものが言えない風土」だ。

組織風土の問題について漆間社長は、10月に実施した東洋経済の取材で「上司が部下を受け入れる姿勢を持っていない」と述べ、上層部から意識変革を促す考えを強調していた。

ただ、調査委が全社員に実施したアンケートでは、社員が調査委に回答を直接提出するはずなのに、上司が事前の確認を求めるという事態が複数の拠点で起こっていた。12月23日の会見で漆間社長は「真摯に受け止めている。残念だ」と返すしかなかった。

異常なまでの上下関係の厳しさは、東洋経済が取材した現役社員やOBの話でも、具体的に出てきた。

ある西日本の工場に勤務する現役社員は、製品に不具合が発生した際、担当する課の課長が1日中、工場内の会議室に「カンヅメ」状態になっているところを目撃した。

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