経過報告として公開された三菱電機の調査報告書は291ページにも及ぶ。膨大な調査結果に不足点はないのか。企業の不正問題に詳しい専門家に聞いた。
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膨大なページに及んだ三菱電機の調査報告書(下)。今後最終とりまとめを進めるが、不足している視点はないのか(上写真:今祥雄撮影、下写真:編集部撮影)
相次ぐ検査不正問題に揺れる三菱電機。社外の弁護士らによる調査委員会が10月1日に公表した報告書は「経過報告」との位置づけで、最終的な調査報告は2022年4月をメドに行われる。
不正の原因を分析し、有効な再発防止策を作ることが急務だ。会社側は最終報告を待たずして、品質、風土、ガバナンスの3つの分野に関して改革を進めると発表した。
ここまでの調査のあり方に問題はないのか。企業不正の分析に詳しい元芝浦工業大学教授の安岡孝司氏に、今後発表される最終版へのリクエストを含めて、今回の調査報告書の内容を分析してもらった。
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やすおか・たかし/1985年みずほ情報総研入社。金融技術開発部部長などを経て、2009年から2019年まで芝浦工業大学大学院工学マネジメント研究科教授。企業リスク管理、企業財務などの講義・演習を担当。九州大学大学院理学研究科中退。数理学博士(九州大学)(写真は2018年、撮影:尾形文繁)
調査報告書の目的は株主や投資家、取引先などからの信頼回復であり、私はそういう観点から、各社の報告書が信頼回復に役立つのかをチェックしている。
私が開発したチェックリストで、三菱電機の調査報告書を採点したところ、100点満点中30点だった。ほかの企業の報告書は経験的に45~75点程度なので、この点数は低いほうだ。
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