稲盛和夫氏が「盛和塾」塾生たちに遺した哲学 怖がりだったカリスマ経営者、勉強会は今も

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8月に亡くなった京セラ創業者の稲盛和夫氏。彼の思想を慕った人たちは世界中にたくさんいる。

京セラ創業者の稲盛和夫氏
8月に亡くなった稲盛和夫氏は京セラ創業などのビジネス以外にも多くの足跡を残した(2013年、今井康一撮影)

9月3日、J1に所属するサッカーチーム・京都サンガFCが本拠地とする、サンガスタジアムby KYOCERA(京都府亀岡市)。この日の試合は、8月24日に亡くなった京都サンガの稲盛和夫名誉会長を悼む試合だった。試合開始前には黙禱が行われ、京都サンガのベンチには「INAMORI」と書かれたユニフォームが飾られた。背番号は、稲盛名誉会長が亡くなった90歳を示す「90」だ。

この日のヴィッセル神戸戦では、2対0で京都サンガが勝利を飾った。

稲盛氏は1959年に京都セラミック(現京セラ)を創業。1984年にDDI(第二電電、現在のKDDIの母体)を設立し、2010年からは日本航空の会長として再建を手掛けた。経済界だけでなく、京都サンガの設立や、科学技術や思想・芸術分野の顕彰を行う稲盛財団を創設するなど、幅広い足跡を残してきた。

中でも多くの経営者に影響を与えたのが、稲盛氏の講話のほか、塾生の経営体験の発表を行う盛和塾だ。全国各地の経営者が、稲盛氏の経営哲学「フィロソフィ」や、「アメーバ経営」に代表される経営管理手法を学んだ。1983年に始まった勉強会が発展し、1989年に盛和塾と名乗るように。2019年に閉塾するまで、日本のみならず中国、ブラジル、アメリカなど海外にまで広がった。

元塾生「人生が変わった」

盛和塾の元塾生は「稲盛氏に出会ったことで人生が変わった」と口々に振り返る。

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