高給だけど働きたくない「TSMC」の軍隊カルチャー 世界最強半導体会社を悩ませる超採用難
トップレベルの従業員とサプライヤー、最先端工場を台湾に集積したことは長年にわたり同社にメリットをもたらしてきたが、TSMCは台湾の外に目を向け始める必要が出てきたとハーバード・ビジネススクールの教授、ウィリー・シーは指摘する。
「私がTSMCなら、人材を獲得できる別の場所を本気になって探すだろう」
今どきの若者に選ばれない会社
半導体製造にはよく訓練されたスキルの高い従業員が必要であり、それこそがTSMCが優れている理由の一部だと、TSMC・国立台湾大学共同研究センターのウー・チーイー(呉志毅)は語る。
キャリア初期にインテルでエンジニアとして働いたウーによると、今日のIT人材は高い給料を追い求めた彼の世代とは違って、自分の関心に沿った仕事を志向する傾向が強い。
「経済的に強いプレッシャーにさらされているのでなければ、たとえ高給と半導体業界での有望なキャリアを捨てることになったとしても、あまりきつくない仕事を選ぶのではないか」
TSMCを辞めた冒頭のリーによると、若い世代の台湾人には、ファブのハードな仕事に耐えようという人は少なくなっている。
「もはや、以前ほど輝いて見える仕事ではなくなった」。今はアメリカの会社でウェブデベロッパーとして働くリーはそう述べた。
(執筆:John Liu記者、Paul Mozur記者)
(C)2023 The New York Times
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