破綻した日本振興銀は承継銀行への事業譲渡に伴い貸出資産の「適」「不適」を分類、各債務者企業へ通知へ
経営破綻した日本振興銀行と、日本振興銀行の事業譲渡を受ける預金保険機構の第二日本承継銀行は4月7日、同銀行の借入先など各債務者企業に対して、事業譲渡後の取り扱いに関する通知を行う。
これは、4月25日に実施される予定の事業譲渡に先立って、貸出資産を健全資産である「適資産」、不良資産である「不適資産」とに分類したことによる。適資産は承継銀行に移管され、不適資産は当面の間、日本振興銀行にとどまる。この措置に基づいて、各債務者企業がどのような取り扱いになるかが個々に通知される。
このうち、不適資産については、当面は整理回収機構(RCC)に譲渡されることはないが、今後いずれかのタイミングで、RCCへの譲渡となることは間違いない。その場合、問題となるのは、再生ファンドなど第三者の投資家への”バルクセール”が行われる可能性が乏しいことだ。
過去のケースから判断するかぎり、RCCに譲渡された場合は、その債務者企業のレピュテーションが悪化し、結局、金融機関からの新規借り入れができずに経営破綻を来すことが想定される。しかし、適切な投資家に譲渡すれば、当該債務者企業が再生できる可能性は高まる。
今後、予想されるのは、大口債務者企業全社がRCCに譲渡され、小口債務者企業は日本振興銀行にとどまる、という事態だが、大口債務者企業の中には上場企業が複数ある。また、「事業再生できる企業もある」と、有力投資ファンドは指摘している。十把ひとからげ的な方式ではなく、きめ細かい対応があってよさそうだ。
(東洋経済オンライン)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら