デフレギャップは解消、もう原発は造れない--『知らないと恥をかく世界の大問題2』を書いた池上彰氏(ジャーナリスト)に聞く


──原発は、新興国では核開発と結び付きます。

英国も原子力潜水艦をこれから1隻退役させるなど、先進国では核を減らす方向に行く。だが、むしろ新興国、開発途上国では、核開発を進めていきそうな国がある。

まずイランが核を持とうとしている。イランが持つと、アラブの国々は警戒感が強いから、われもわれもと着手しかねない。最近、エジプトが原子力開発を言い始めた。発電所を造っておけば、いざというときに核兵器が造れると。今回の事故を契機に核兵器の拡散に一定のブレーキがかかるかもしれないが。

その一方で、南米は非核地帯になった。ブラジルとアルゼンチンが折り合い、開発をやめた。監視する機関を作り、相互信頼を形にした。それが全体に広がっている。この南米が理想形といえる。どのようにこれを世界全体に広げていけるか。

──4月から本の執筆に専念されるとか。

最初に本を出したのは1998年。その後、毎年15冊程度のペースで出している。このところは自粛していたが、本業は本の執筆、自分自身は活字の人間だと思っている。

(聞き手:塚田紀史 撮影:今井康一 =週刊東洋経済2011年4月9日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

いけがみ・あきら
1950年長野県松本市生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、NHKに入局。報道記者として松江放送局、呉通信部を経て、報道局社会部。警視庁、気象庁、文部省、宮内庁などを担当。94年から11年にわたり「週刊こどもニュース」のお父さん役を務める。2005年に退社しフリーに。

『知らないと恥をかく世界の大問題2』
角川SSC新書 819円 189ページ

  

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