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なぜ銀行は銀行不安を自ら招いてしまうのか 貸し出し鈍化が進み、信用収縮起きるか焦点

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スイスの金融機関最大手UBSがクレディ・スイス・グループを買収(写真:Stefan Wermuth/Bloomberg)

米国で中堅銀行の破綻が相次ぎ、欧州では経営危機に陥ったクレディ・スイス・グループがUBSに買収されることが決まるなど、3月には銀行不安が一気に広がった。足元では事態は落ち着きを取り戻しつつあるが、危機はまだ去っていない。これから経済が悪化すれば、銀行不安の第2ラウンドが引き起こされることが予想される。

3月の米国の銀行不安を振り返ると、銀行が破綻した週の中小銀行からの預金流出額は1960億ドル(約26兆円)と、歴史的な規模に達した。一時は銀行危機と呼べるような状況にあったのである。

銀行不安を招いた要因

銀行不安のきっかけとなったのは次の2点だ。まずFRB(米連邦準備制度理事会)が行った大幅な利上げによって、銀行が保有する債券の含み損が大きく膨らんだこと。そして長短金利が逆転することで、銀行の利ザヤが縮小したことだ。この先、利上げの影響や銀行の貸し出し抑制によって景気が悪化すれば、不良債権の増加という第3の逆風に銀行は見舞われるだろう。

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