津波で下水処理場、ゴミ焼却施設に大きな被害、想像を超える宮城県内各施設の被災状況

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 ただ、一部の焼却施設は地震による被害が大きく、復旧には時間がかかる見通し。亘理名取共立衛生処理組合(名取市、岩沼市、亘理町、山元町の2市2町で構成)では、亘理清掃センター(山元町 =上写真)が2階まで津波をかぶり、崩壊状態となった。

現在、同センターについては、組合がプラントメーカーと復旧に向けて協議を始めているが、「どれくらいの期間で修理が完了するか見通しは立っていない」(同組合総務課)。そのため、現在、山元町および亘理町が収集した家庭ゴミは一時保管場所に置かれているが、仙南地域広域行政事務組合(白石市など2市7町で構成)に、その一部焼却を委託する方向で協議を開始。仙南組合では3月25日から15トン受け入れているものの、今後どれだけ受け入れ拡大できるかは未定という状況だ。
 
 多賀城市など1市3町の家庭ゴミの焼却を担う宮城東部衛生処理組合では、ゴミ焼却施設の被害はさほど大きくなかった。そのため、3月26日には一般ゴミの受け入れを開始。これまでにたまっていたゴミを順次燃やしていく。ただ、多賀城市では、ゴミ収集業者が保有していた収集車すべてが津波で流される被害に遭った。そのため現在、宮城県産業廃棄物協会などに収集を委託している。

石巻市などの家庭ゴミを焼却する石巻地区広域行政事務組合(石巻市、東松島市、女川町の2市1町で構成)では、焼却施設である石巻広域クリーンセンターの1階部分が津波に直撃された。地下にある灰出し施設も水に浸かっており、設備の交換が・修理が必要な状況。「現在、被害状況の把握に努めているが、電気、水道が復旧しておらず、全体の状況がつかめていない」(同事務組合)。そのため、集めたゴミは最終処分場に一時的に保管している。

このように下水処理場、ゴミ焼却施設とも、沿岸部にあった施設の被害は甚大だ。石巻市などでは、2002年のダイオキシン類対策特別措置法の改正に伴い、各地にあった既存焼却施設を新設の焼却場に集約。ところが、その施設が今回の津波で被災した。

ゴミ焼却施設には今後、1500万~1800万トンともいわれるがれきなどの災害ゴミも持ちこまれる。そうした状況下で、各自治体の自力で処理が完了できるとは思えない。政府は早急に実態を把握し、自治体が必要とする支援策を講じる必要がある。
(岡田 広行 =東洋経済オンライン)





(出所:宮城県)

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