カーライルによるTOBで上場廃止したユーザベース。「ニューズピックス」の成長が大きく鈍化する中、打開策はあるのか。
非公開化前の状況は「心安らかでなかった」
──2022年11月にTOBに応じることを表明し、2023年2月に上場廃止となりました。一連の経緯と背景について聞かせてください。
売り上げ規模は上場初年度の31億円から、直前の2022年度は公表ベースで182億円と、6年間で約6倍へ成長した。利益の面でも、アメリカの経済ニュースメディア「Quartz(クオーツ)」事業から撤退した2020年度を除き、安定的に営業利益を出せている。俯瞰すると、一定程度順調に成長することはできていた。
一方で、クオーツから撤退して以降の明確な成長ストーリーを作ることができていなかった。クオーツ撤退の責任を取り、創業者の梅田優祐が代表取締役CEO(最高経営責任者)を辞任した後、2021年1月から私ともう1人の共同創業者である稲垣裕介との共同CEO体制になったが、株価はずっと下がり続けていた。
そうした中で、株式の非公開化というオプションをある社外取締役の方から提案されたことが、カーライルのTOBに応じるきっかけとなった。
──非公開化に向けてのためらいはなかったのでしょうか。
最初は正直、全然乗り気ではなかった。
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