「BTSの事務所」が競合のドロ沼闘争に参戦のワケ K-POPの元祖事務所の経営権めぐる戦いが激化

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一方、HYBEは2005年に房時爀(パン・シヒョク)現議長(50)が当時務めていた同業大手のJYPエンターテインメントからスピンアウトし、創業した芸能事務所で、K-POPでは後発組だ。

BTSはパン氏がプロデュースした初めてのアーティスト。デビュー当初は、資金不足からSMや大手他社のような億単位のプロモーションができず、テレビ出演もままならなかったといわれる。そのため、YouTubeやSNSを駆使してファンとのつながりを中心に据え、人気を広めた。BTS がSNS時代のスターともいわれるゆえんでもある。

BTSは2020年には、アメリカ・ビルボードのメインチャートHOT100で1位となる快挙を成し遂げ、文字通り、世界的なアーティストとなった。こうしたグローバルな人気は同社の売り上げを右肩上がりに上げ、2020年秋にはサムスン電子や現代自動車など韓国の名だたる大企業が上場する韓国のメイン市場「KOSPI」に上場。韓国で芸能事務所が「KOSPI」に上場したのは史上初と騒がれ、このときから韓国の音楽産業は財閥企業などと肩を並べて語られるようにもなった。

パン・シヒョク氏
HYBEを率いるパン・シヒョク議長(写真:Bloomberg)

ジャスティン・ビーバーの事務所も買収

上場後は、次々と韓国の中小規模の音楽事務所を買収しレーベルを増やし、2021年3月には「BIG HITエンターテインメント」という社名から現在のHYBEに変更。社名からエンターテインメントをとったことから、韓国では、「プラットフォーム企業への転身を示唆しているのではないか」ともささやかれる。

韓国・ソウルにあるHYBEの本社(写真:編集部撮影)

同年4月には世界的なアーティスト、ジャスティン・ビーバーやアリアナ・グランデを擁するアメリカのマネジメント会社「イサカホールディングス」を10億5000万ドル(当時約1150億円)で買収し、つい先日もアメリカのヒップポップレーベル「QC Media Holdings」を3140億ウォン(約314億円)で買収している。

今回HYBEのパン氏とイ氏の共同声明はこんな言葉から始まっている。「SMエンターテインメントとHYBEを世界のポップミュージックのゲームチェンジャーに飛躍させるために手を組んだ」。目指すは、グローバル企業ということだ。

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