「BTSの事務所」が競合のドロ沼闘争に参戦のワケ K-POPの元祖事務所の経営権めぐる戦いが激化

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この問題を提起したのは、SM株を0.9%保有している”物言う株主(アクティビストファンド)”「アラインパートナーズ(ALIGN PARTNERS)」である。同社は世界的に有名なアクティビストファンド、アメリカ・KKR出身者が2021年に設立した企業。昨年夏にライク企画や、イ氏が投資した関連企業との取引資料の開示を要求した。

他の少額株主の支持も得たこの動きに、SMは9月には現経営陣がライク企画とのプロデューシング契約を早期に終了する意向を発表し、SMの株価は一時18%も急騰した。SM界隈で、ライク企画への不満がくすぶっていたことが読み取れる動きだった。

韓国紙記者が言う。

「イ氏は、デビューさせるアーティストのヘアスタイルやメイク、歌詞の一行一行までチェックすると言われており、それでもアーティストがメガヒットとなっていた時代はよかったのでしょうが、ここ数年、SMは不振といわれ続けてきた。体制転換が急務なことはSM内部でも言われていたようですが、現在の共同代表はイ氏の甥と同氏の右腕といわれた人物。改革はなかなか進まなかった。そこへアラインパートナーズが登場し風穴が開いたように見えましたが、HYBE がイ氏の株を買うなんて、まさかのどんでん返しでした」

イ・スマン氏の存在感はK-POP界では絶大

K-POPの歴史はイ氏の歴史ともいわれるほど、その存在感は絶大だ。1995年、イ氏が立ち上げたSMは、これまで多くの人気アイドルグループを輩出してきた。1996年にプロデュースした5人組のボーイズグループ「H.O.T」は中国でも大人気となり、「韓流」という言葉を生み出し、アイドルという存在を韓国にもたらした。

日本では、2001年、BoAをプロデュースし、日本での韓流に道筋をつけ、5人組のボーイズグルーブ「東方神起」(現在は2人組)、9人組のガールズグループ「少女時代」は日本で第2のK-POPブームを作った。

イ氏が生み出した、アイドル育成システムは、他社に引き継がれ、現在のグローバルK-POPの礎となっている。

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