「BTSの事務所」が競合のドロ沼闘争に参戦のワケ K-POPの元祖事務所の経営権めぐる戦いが激化

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さらに、7日には大手ネット企業、カカオとカカオ傘下のカカオエンタテインメントとの戦略的パートナーシップを発表し、カカオが第三者割当増資と転換社債発行により、SM株9.01%を保有したことを明らかにした。これによりカカオはイ氏に次ぐ第2株主に浮上していた。

増資により、自身の持ち分比率の低下が避けられないイ氏は、カカオエンタによる増資は違法だとしてソウル東部地裁にこれを無効にする仮処分申請を行っていた。そんな矢先、突然飛び出したのが、HYBEとの冒頭の発表だった。

HYBEは10日、3月1日までの期限で1株12万ウォンの価格でTOB(株式公開買い付け)を実施することも発表。思惑どおりに運べば、SMの40%近くの株をHYBEは保有することになる。

2021年から保有株の売却を模索?

SMの綻びが露わになったのは2019年だった。3大株主だった「KB資産運用」は イ・スマン氏による支配構造の改善を要求し、話題になったが、このときは現経営陣がこの問題提起を一蹴した。

2021年には、韓国の経済紙『毎日経済新聞』が、イ氏が自身のSM株売却を模索していると報じ、売却先にはカカオとNAVER、そして総合エンターテインメント企業CJ ENMの名などが挙がった。

カカオは日本でウェブトゥーンアプリ「ピッコマ」で、NAVERはメッセンジャーアプリ「LINE」を展開していることでよく知られる。CJ ENMは、日本でもヒットしたドラマ『愛の不時着』を制作したドラマ制作会社「スタジオドラゴン」の親会社でもあり、K-POP最大級の音楽賞「MAMA」などを主催する音楽専門チャンネル「Mnet」を傘下に置く、韓国エンタメ界の巨人といわれる存在だ。このときHYBE も関心を示したと言われたが、イ・スマン氏の拒否感は相当強いと言われた。

事が動いたのは昨年夏だ。イ氏の個人会社である「ライク企画」とSMとの歪な取引が俎上にのぼったのだ。ライク企画はイ氏がSMとは別に1997年に立ち上げたSM所属のアーティストのプロデュースなどを請け負う個人の外注企業で、2000年にSMがコスダック(日本でいうナスダック)市場に上場した後からプロデュース業務料という名目で収益を得てきた。2021年にはSMの営業利益の約30%にあたる240億ウォン(約24億円)が支払われていた。

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