モンテッソーリ教育とは?詳細や日本における取り組みについて解説 モンテッソーリ教育を実践した保護者184人の良かった声と悪かった声を掲載!

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子どもの自発性や自由を尊重した日本でも注目を集めている「モンテッソーリ教育」。子どもの発達段階に応じて全人的な教育プログラムを設計している点を特徴としています。この記事では、モンテッソーリ教育の背景や歴史、内容、教具、モンテッソーリ教育と幼稚園・保育園・小学校などについて紹介します。

モンテッソーリ教育とは?

モンテッソーリ教育とは、イタリアで19世紀末から20世紀半ばに医師、教育者として活動したマリア・モンテッソーリ博士が提唱した教育法です。

「子どもには自分で自立・発達していこうとする力=自己教育力があり、その力が存分に発揮できる環境と自由が保障された中で、自発的に活動を繰り返しながら成長していく」という基本的な考え方を根底に考案されました。

将棋の藤井聡太棋士、元アメリカ大統領のバラク・オバマ氏、イギリス王室のウィリアム王子、ヘンリー王子、Amazonの創設者のジェフ・ベゾス氏、マイクロソフト創設者のビル・ゲイツ氏などが、モンテッソーリ教育で育ったことで知られています。

モンテッソーリ教育の背景、歴史

モンテッソーリ教育は、モンテッソーリ氏が、ローマの病院で障害のある子どもたちが床に落ちたパンくずを熱心に広い集める姿からヒントを得たことが始まりといわれています。

子どもたちがパンくずを拾っているのは「おなかがすいているから」ではなく「手や指先を動かして感覚的な刺激を得ようとしているから」と気づき、指先を使って円柱を穴にさしたり抜いたりする教具「円柱さし」を考案。これで遊んだ知的障害児の知的水準が高まったことがわかりました。

この結果を踏まえ、1907年に保育施設「子どもの家」を設立し、独自の教育法を完成させました。「モンテッソーリ教育」と名付けられて以来世界中に広がり、100年以上経った今でも、世界110以上の国でモンテッソーリ教育が実践されているといわれています。

モンテッソーリ教育の内容

モンテッソーリ教育では、大人になるまでの24年間を、

・ 0〜6歳の乳幼児期
・ 6〜12歳の児童期
・ 12〜18歳の思春期
・ 18〜24歳の青年期

と6年ごとに分け、「発達の4段階」としています。

24年の中でも、0〜6歳は、「その後の長い人生を生きてくのに必要な能力の80%が備わる最も大切な時期」と位置づけられています。

この時期に、子どもが何かに強く興味を持ち集中して同じことを繰り返す「敏感期」が訪れ、子ども自らが興味を抱き、その子の発達に合わせた活動に夢中で取り組むことで、人生を力強く生きるための土台が備わっていくとされています。

モンテッソーリ教育では、0歳から6歳までの乳幼児期を、

・ 0〜3歳の前期
・ 3〜6歳の後期

の2つに分けて考えています。それぞれの発達段階に現れる敏感期を背景に、教育環境が用意されています。

0〜3歳

歩く、階段の上り下りなど「粗大運動の活動」、主に手や指を使い、握る、たたく、落とすなど「微細運動の活動」
体全体と指先の運動を組み合わせ、着衣脱やボタンの留め外しなど「日常生活の練習」自分の周囲で話されている母語を発達に合わせて獲得する「言語教育」
発達段階や興味に応じた教具に触れることにより感覚の洗練を促す「感覚教育」
音楽を聴いたり歌ったり踊ったりする「音楽」
クレヨンや絵筆、粘土などで表現を楽しむ「美術」
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